モデルナ製ワクチン、国内被験者全員で抗体上昇 20日にも承認か

 米モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンを日本国内で販売する武田薬品工業は10日、国内で行われていた臨床試験で、被験者全員から抗体上昇を示す結果が得られたと発表した。このデータは薬事承認に向けての参考データとしてすでに提出されており、20日にも薬事承認される可能性が高まった。

国内被験者全員で、抗体の上昇示す結果

 日本での薬事承認に向け、国内被験者を対象に新たに行った臨床試験の速報結果が10日発表された。同社の発表によると、国内の200人を対象に、偽薬群とワクチンを2回接種しその後28日経過した群を比較した結果、ワクチンを接種した被験者全員において結合抗体と中和抗体の上昇が見られたという。

 この結果は、認可を担当する医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出されており、薬事承認の参考となる。今月20日に薬事承認を審議する厚生労働省の専門部会が予定されており、この場でアストラゼネカ製ワクチンとともに薬事承認するかの可否が決定されるとみられている。

 なお同社は、日本政府とは薬事承認を条件に5,000万回接種分を輸入し供給することに合意しており、今月下旬にも開設されるとされる大規模接種センターで活用される見込みだ。

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