長崎市の観光親善大使「ロマン長崎」 本年度末で廃止 コロナ禍で活動減少

 長崎市の観光親善大使「ロマン長崎」が、本年度末で廃止されることになった。近年、企業・団体からの活動依頼が減少傾向で、さらに昨年からの新型コロナウイルス感染拡大の影響で拍車が掛かった。
 関係機関でつくる選彰委員会が11日までに決めた。前身の「ミス長崎」から改称し2000年に創設。観光長崎をアピールしてきたが、同委員会は「一定の役割は果たした」と判断した。
 応募対象は男女問わず、毎年原則3人を選んできた。県外の物産展に出向いて市をPRするほか、長崎ランタンフェスティバルの「皇帝パレード」で皇后役を務めるなど、地元イベントでも活躍した。
 しかし、活動依頼件数は年々減少。19年度は市内外で53件あったが、多い年の半数以下にとどまる。20年度はコロナ禍で市外での活動はなく、22件にまで落ち込んだ。会員制交流サイト(SNS)などの急速な発展に伴い、企業側の宣伝・広報の見直しが背景にはあるとみられる。応募者も減っており、なり手も不足していた。
 本年度の募集は中止。19、20年度に選ばれた計5人のうち4人が最終年度の活動を担う。同委員会事務局の長崎国際観光コンベンション協会は「コロナ禍により、PRの仕方や価値観が変わりつつある。人を集めることが難しい中、インターネットなどを活用した情報発信を続けたい」としている。


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