熟年夫婦の終活をサポートする、爽やかな葬儀社社員を熱演☆水野勝

5月21公開の映画「お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方」で、葬儀社に転職したばかりの会社員・菅野涼太役を演じる水野勝。来年には結婚50年を迎える大原真一(橋爪功)とその妻・千賀子(高畑淳子)はケンカばかりで熟年離婚の危機。そんな2人の関係を変えたのは、菅野が提案する“お終活”だった…!? 見るともっと周囲の人々を大切にし、人生を大事に過ごしたいと思うハートフルストーリー。今作で主演という大役を務めた水野が撮影を通じて学んだこととは?

――この映画のお話を最初に聞いたのはいつ頃ですか?

「1年半ほど前です。まだ台本が完成していない段階で、橋爪功さん、高畑淳子さん、松下由樹さんが出られるということだけが分かっている状態だったんです。そのお三方が出演される作品の主演に抜てきしていただけるなんてビックリしましたし、『すごい映画に出るんだな』という思いになりましたね。それから撮影までの間に監督とは何回かお会いさせていただいて、パシフィコ横浜で開催した『ボイメン学園 文化祭2019』にも足を運んでくださって。すごく熱い方で、クランクインする前から安心感がありました」

――映画は“終活”をテーマにした、とても明るく癒やされる物語ですね。

「そうなんですよ、とてもハッピーなコメディー映画。どの世代の方にも楽しんでもらえると思います。僕の演じる菅野も陽気なキャラクターで少しドジな部分もあって、転職先の葬儀社の中でも一番の若手。ただ実は菅野には西村まさ彦さん演じるお父さんとの、ある確執があるので、前半パートでのコミカル部分と後半パートでのシリアス場面との対比をちゃんと見せるために、しっかり気をつけて演じないといけないなとは思っていました」

――コミカル部分ではアドリブも多かったんですか?

「監督が、アングルを決めた後は『はい、あとは自由にやって』というタイプの方だったので、僕も剛力(彩芽)さんとのキッチンカーでのシーンでは結構アドリブを入れていました。使われている部分も多いんですけど、お弁当の具をたくさん口に入れてしまった菅野が、むせて『うっ…』と言ったぐらいで場面が変わってしまっていて、見た時は思わず『そこで(シーンを)つまむんですか!』って心の中でツッコんじゃいましたね(笑)。自由すぎて逆に自分で用意していかないと成立しなかったので、そういう意味では緊張感もある現場でした」

――あらゆるところに体をぶつける菅野も、かわいらしかったです。

「あれは監督から『オーバーにやってほしい』っていう演出だったんです。だから思いっきりやったんですけど、後で橋爪さんに『あれはやりすぎだよ』って言われました。『でも、あれは監督のせいだから。だからお前は気にするな』『はい!』って(笑)」

――橋爪さん、そんな言葉も掛けてくださったんですね。

「すごく僕のことを買ってくださって。『君が主演で良かったよ。この話は大丈夫だって初日に分かった』とも言ってくださったんですよ。その言葉を励みに撮影を乗り切れた気がしています」

――他の共演者の皆さんとも、たくさんお話を?

「こんな機会、なかなかないじゃないですか。だからカメラが回っていないところでも勉強しようと思って、たくさんお聞きしました。西村さんは、すごく緻密に作り上げる方なんですよ。ドラマ『古畑任三郎』シリーズに出られていた頃も、当時のあのおっちょこちょいな役柄は全部緻密に練られた上でのものだったらしくて。まさしく職人芸ですよね。松下さんも僕が(松下がレギュラー出演していたバラエティー番組)『ココリコミラクルタイプ』をリアルタイムで見ていた人間だったので、その頃のお話もたくさん(笑)。早口でまくしたてるコントは一発録りで、しかも台本をほぼ当日に覚える形だったらしいんです。今回の現場でもそうだったんですけど、当時もほとんどNGを出されなかったそうです。橋爪さんは、あえて手の内を明かさない方。『適当にやりゃいいんだよ』って言うんですけど、絶対に適当にやってない(笑)。高畑さんはすごく面倒見のいい方で、たまたま合間に僕の人生についてお話する機会があって。“BOYS AND MENというグループに所属していて、稽古場がなかった時代があって。同時に個人では役者希望でやってきて、1シーン、2シーンしか出番がない時もあった。それでもちゃんと見てくれる人は見てくださっていて、今回こうして抜てきされて撮影が楽しみでした”…ということを言ったら、高畑さん、泣いてくださって。僕みたいな人間にも泣いてくれるなんて…、めっちゃうれしかったです。本当に実のある現場でした」

――水野さんご自身は、今後はどんな役者になっていきたいですか?

「大泉洋さんのように、地元を大事にしながら東京でもやっていけたらと思っています。あと、パブリックイメージにない役もたくさん経験したいです。アイドル役やキラキラしたバンドマン、胸キュンドラマなど、BOYS AND MENのメンバーという印象の延長線上でいただく役も光栄なんですけど、全く想像がつかないギャップをより多く見せられる僕でもありたいなって。そういう意味では今回の菅野役も、普段グループでリーダーをしている僕とは違う一面をお見せすることができると思います。それと最近、深夜にラップ番組『フリースタイルティーチャー』(テレビ朝日)に出ているんですけど、そっちでは『てめぇ、こら!』という素の僕が出ていまして(笑)。その番組の次の日に公式Twitterで“『お終活』の宣伝をしていました”ってつぶやいたら、ファンの方に『その温度差に風邪を引きそうです』と言われました(笑)。“本当の水野勝が分からない”って言われるくらいになりたいですね。たくさん風邪を引いてもらいたいです(笑)」

――最後に、もし水野さんが今「お終活」を考えるとしたら、どういうことをしたいですか?

「なんですかね…死ぬまでに一度でいいからエジプトのピラミッドを見に行きたいです。ピラミッドが好きというわけじゃないんですけど、なんかあれって想像の10倍くらい、引くほど大きいらしいんですよ。『ウソだろ!』って思うぐらいの大きさ、しかもそれを人間が手で積んだっていう…ちょっとそれはマジで、生で見てみたいです。あ、ちなみにスフィンクスは意外と小さいらしいですよ。そういう情報だけは、すでに仕入れ済みです(笑)」

【作品情報】

「お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方」
5月21日 全国ロードショー

ある日、大原亜矢(剛力)は自らが営むキッチンカーで、葬儀社に転職したばかりの菅野(水野)に出会う。菅野から終活フェアに誘われた亜矢は、母・千賀子(高畑)に行くことを勧めるのだが、夫の真一(橋爪)は縁起でもないと激怒し…。

【プレゼント】

サイン入り生写真を2名様にプレゼント!

応募はコチラ→https://www.tvguide.or.jp/tvguide_enquete
(応募期間:2021年5月12日正午~5月19日午前11:59)

ハガキでの応募方法は「TVガイド」5月21日号(P98)をご覧ください。
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取材・文/松木智恵 撮影/蓮尾美智子

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