箱根山の火山ガス「落ち着いた状態」 東海大が定点調査

大涌谷で行われた火山ガスの定点調査(東海大理学部大場武研究室提供)

 噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)の箱根山(箱根町)で11日、東海大による火山ガスの定点調査が行われた。採取したガスの成分を分析した大場武教授は「火山活動は落ち着いた状態が続いている」との見解を示した。

 箱根山は近年、活発な活動を数年おきに繰り返しており、2015年6月に観測史上初の噴火が大涌谷で発生。19年5月にも火山性地震が急増するなどしたため、気象庁は噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)に引き上げた。

 警戒レベルが1に下げられた同年10月以降は静穏で地震も少ないが、大場教授は「次の活動に向けてエネルギーをためている可能性もある」と指摘した。

 気象庁も「大涌谷では活発な噴気活動が続いているので、火山灰などの突発的な噴出現象に注意が必要」と呼び掛けている。

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