混迷する井岡一翔「ドーピング騒動」 “諸悪の根源” 扱いされたJBC理事長が猛反論!

ドーピング騒動に加えて家族への中傷で、当事者の井岡一翔も怒りを隠せずにいる

WBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(32=Ambition)のドーピング問題が混迷を極めている。昨年大みそかの田中恒成(25=畑中)とのV2戦後の検査で大麻成分の陽性反応を示したことが発覚。日本ボクシングコミッション(JBC)の倫理委員会で調査中だが、いまだに結論は出ていない。そんな中、JBCの永田有平理事長が直撃に応じ、改めて自身に対する批判に反論。一方、一翔は自身のSNSに送られた誹謗中傷に激怒し、さらなる波紋が広がっている。

一翔は昨年大みそかに田中を8ラウンドTKOで下して2度目の防衛に成功した。しかし、試合から4か月後の4月下旬、試合後のドーピング検査で大麻成分の陽性反応を示していたことが週刊誌報道で発覚。JBCがドーピング検査で採取した尿の検体を警察に提出した事実を公表しなかったとも報じられた。

これが「隠蔽」と捉えられたJBCには批判が殺到。騒動のきっかけをつくったとされるのが永田理事長だ。一連の報道では警察の介入を率先したなどと伝えられ〝諸悪の根源〟のような扱いを受けている。取材に応じた永田理事長は「あの書かれ方は納得できない。間違っていることを多々書いている」と憤りをあらわにし、次のように主張した。

「問題は何でマスコミにリークがあったのか。(ドーピング違反があれば)審議をして結論が出て、初めて規定違反や罰則を世間一般にご報告するのが普通です。だが、その過程がリークされて大きな問題になった。それ(リーク)がうちの職員なら大変な問題。機密事項を漏らしたのだから」。ドーピング問題のみならず〝情報漏洩〟の原因も突き止める考えだ。

一方で、倫理委員会には一翔サイドも自身の潔白を証明するため、出席も辞さずの構えを見せている。永田理事長は「井岡の出席時期? 分からない。倫理委員会には携わっていないし(経過なども)聞けない状態なので。独自性を持っているから、我々が関与しないことで公平性を担保している」とあくまで第三者に調査を委ねる姿勢を強調。その上で「5月中には絶対に結論を出す」と改めて明言した。

ただ、騒動が長期化していることで混乱が広がっている。田中陣営の畑中清詞会長(54)はJBCに事情説明を求めるも納得のいく回答が得られず弁護士と相談中。「(田中の次戦のマッチメークは)いや、まだです。コロナ禍というのも確かにあるが、この件が片付かなければ気分的に嫌だよね」と複雑な胸中を吐露した。

一翔もSNSで自身や家族に誹謗中傷を受けたことを明かし「絶対許さんからな。後悔すんなよ」などと怒りのコメントを投稿。一翔本人の違反の有無は別にして、今回の問題が長引いていることの影響と言えなくもない。果たして、最終的に誰もが納得できる結論は出るのだろうか。

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