高所は得意、仕事と両立 平野電業(富山)がクライミング経験者6人採用

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クライミング経験を買われ、平野電業に採用された新入社員たち=北陸電気工事能力開発センター

■人材難で着目、業務拡大へ

 高所作業にクライマーを-。鉄塔の送電線工事を行う平野電業(富山市下大久保・大沢野、平野晴夫社長)は今年に入り、クライミング経験者6人を採用した。昨年に桜ケ池クライミングセンター(南砺市立野原東・城端)を取得し、クライマー採用に力を入れていたことが奏功。人手不足が悩みの種だったが、高さを苦にせず体力のある人材を確保した。

 平野電業は北陸電気工事(富山市小中、矢野茂社長)の関連会社。鉄塔や電線の老朽化で仕事量はあるものの、人手不足が課題となっていた。高所作業は危険できついイメージがあることに加え、少子化が進み、ここ10年は2年に1人程度しか採用できなかった。

 着目したのが、高所やロープの扱いに慣れ、体力もあるクライマーだ。採用につなげようと、北陸電工と共に昨年4月に桜ケ池クライミングセンターを取得し、改修した。

 雪で工事できない冬季はクライミングのハイシーズンとなるため、長期休暇を取れるようにし、大会出場時の有給休暇にも対応する制度を新設。社員が同センターを無料で利用できるようにもした。

 取り組みが知られるようになり、今年2~5月にクライミング経験のある20~50代6人の採用にこぎ着けた。いずれも出身地は県外。社会人の山岳会に所属し、スポーツクライミングも楽しむ武田誉史さん(30)は「鉄塔に登ったら面白そうだと思っていた。工事の仕事は将来的にもなくならないし、冬山に登るために長く休みを取ることもできる」と言う。

 平野電業は今後もクライミング経験者を採用し、業務を拡大する考え。社内に実業団チームを作る計画もある。平野誉士専務は「選手を引退した後も続けることができ、やりがいもある。クライミングと両立してほしい」と話す。 (浜松聖樹)