「科学のお姉さん」こと五十嵐美樹先生(29)が、大人も子供も楽しく読んで実験できる初の著書「科学戦士『ミギネジ』の悪キャラの倒し方」(フォレスト出版)を上梓した。コロナ禍で科学実験教室にも変化が生じるなか、オンライン科学実験教室で子供たちをサポートしてきた五十嵐。著書は自伝要素も満載だが、〝リケジョ〟ならではの過去の苦いデート秘話も明かした。
――著書の内容は
五十嵐 私の分身である「ミギネジちゃん」というキャラクターが、次々に現れる難敵に科学の力をもって立ち向かい解決していくストーリーです。例えば、発泡スチロールでできた敵に対して、アセトン入りの除光液をかけて倒す、ロールプレイングゲームみたいな感じに仕上がってます。毎回、ミギネジちゃんの戦いを解説する実験手順も載せているので、読んだらすぐに自宅で実験できるようになってます。
――自伝的要素も満載だとか
五十嵐 お恥ずかしいんですけど、ほぼ実話です。ストーリーの中にはちょっとした小話も入ってて、例えば、すてきなフランス料理店に誘われたので仕事終わりに大きな実験道具を両脇に抱えて行ったら、入店拒否されちゃった話とか…。私にとっては、フランス料理より実験道具の方が大切なので、その時は「すみません」って謝って、その場で解散しちゃいました(苦笑い)。
――そういえば、まだ独身…
五十嵐 それ、聞きますか!?(笑い)。一応、30歳までにって区切ってたんですけど、今すでに29歳。ちょっと何かねぇ、考えますよね…。でも、ヤバイんですよ。自宅は実験道具があふれてて、もし同棲したらこの実験道具をどうする?ってことになるし、あと、すぐにどこでも実験を始めちゃうので、きれい好きな人だとダメだし…。だから、今は結婚より、自分が好きなことをしてるんだって言い聞かせるようにしてます!(笑い)。
――コロナ前後で科学実験教室に変化は
五十嵐 前はオフラインで人を集めてやってたんですけど、オンラインでやるようになり、今までなかなか会えなかった地域の人たちとも交流できるようになったのは大きいですね。コロナ禍で子供たちが実験を体験する機会が減ったと聞いているので、科学に興味を持ってもらえるきっかけを作れるように活動を続けてます。
――オンライン科学実験教室の難しさは
五十嵐 オフラインとは全然違って、かなり試行錯誤しましたね。オフラインでやってた時は対面なので、風船が膨らんで爆発するかもしれない、キャ~って感じの臨場感ある実験が人気だったんですけど、オンラインだと実際に風船が膨らんでも怖いのは私だけ。見ている子供たちがポカ~ンって感じになっちゃって、ちょっとこれはオンライン用に工夫しなければいけないぞと。それで見ていて〝ばえる〟実験などを多く取り入れるようになりました。
――最近はテレビでの活躍も増えている
五十嵐 ありがたいことに、クイズ番組とか、ちょこちょこ出させていただいてます。今はNHKの「高校講座 化学基礎」を鈴木福くんと一緒にやってます。以前は「高校講座」って堅苦しいイメージだったと思うんですけど、今は見たらイメージがガラリと変わると思います。ちょっとしたドラマ仕立ての部分もあったりして、水曜午後2時からの放送にもかかわらず、リモートワークの方々も学び直しで見ているみたいで、しっかりやらなきゃな~って感じです(笑い)。
――「科学のお姉さん」として存在感が増してきた
五十嵐 本当にありがたいことです。あとは婚期を逃さないように、それだけが心配で心配で…。
☆いがらし・みき 1992年3月19日生まれ、東京都出身。東京大学大学院で科学コミュニケーションの修士課程修了。科学技術インタープリター養成プログラムも修了して「科学のお姉さん」として活動中。YouTubeチャンネル「ミキラボ・キッズ」で自宅でもできる実験動画を配信している。