中国がエヴェレスト山頂に「分離線」 ネパール側の感染者を警戒

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中国は、ネパールとの国境にまたがる世界最高峰エヴェレストの山頂に「分離線」を設置する方針を明らかにした。国営の新華社通信が9日に報じた。ネパール側の登山者の間で新型コロナウイルス感染症COVID-19発症者が増えていることを受け、山頂で中国人登山者と接触しないようにするのが狙いとみられる。

ネパール側のベースキャンプの登山家や当局は、登山者の間で感染が増加していると警告していた。それから1週間もたたないうちに中国側は対策を打ち出した。ただ、実際にどうやって規制を敷くのかはわかっていない。

中国とネパールの国境にまたがるエヴェレストには、どちらの国からも入山できる。

山頂には一度に6人程度が立てるほどの広さしかなく、混雑時には登山者の列ができる。

分離線設置チームを派遣

山頂に分離線を設置するため、チベット人登山ガイドのチームが派遣されている。現在、山頂に向かっている中国人の登山家グループが到着する前に分離線の設置を終える予定。

中国側からの登山者は、ネパール側の登山者との接触が禁止され、山頂に置かれた物に触れることも認められなくなる。

しかし、この規制を順守させるためにチベット人チームが現場に残るのかは不明だ。

チベットのスポーツ局局長は新華社通信に対し、山の北側と南側からの登山者が接触するのは山頂だけだと語った。

現時点では、中国側のベースキャンプには許可証を所持していない観光客の立ち入りは禁止されている。また、外国人の登山も禁止されている。

一方で、エヴェレスト登山による収入に大きく依存しているネパール側は、外国人登山客を受け入れており、今シーズンだけで約400件の許可を出している。

ネパールの感染第2波

ネパールは新型ウイルスの感染第2波に直面している。こうした中、エヴェレストのネパール側では、ここ数週間で登山者30人以上が体調不良のため下山している。

ネパールのベースキャンプで政府公認の診療所を運営しているヒマラヤン・レスキュー・アソシエーションは先週、BBCに対し、首都カトマンズへ空輸された登山者の一部がウイルス検査で陽性と診断されたと明らかにした。

AFP通信によると、過去3週間でネパールの1日の新規感染者数は急増。検査を受けた5人に2人が陽性反応を示したという。

ネパールの累計感染者数は39万4667人、死者は3720人に上っている。

(英語記事 China to set up 'separation line' on Mount Everest