地球が遊び場!達人が語る「デュアルライフの真髄」とは(大分⇄パース)【二地域居住インタビュー】

コロナ禍で住まいに対する考え方が変わり、二地域居住(デュアルライフ)やマルチハビテーション(多拠点居住)を検討する人が増えています。今回ご紹介するBENさんは、なんと10年前から二地域居住を実践。しかも二拠点目はオーストラリアのパース! BENさんのライフスタイルは、まさにこれからの時代のロールモデルと言えます。

今回は、BENさんに二地域居住を始めた経緯や二地域居住に必要なこと、現在の暮らしぶりについて伺ってきました。

■Profile
名前:BENさん
性別:男性
職業:事業家

フィールドは国内外不問、制約のない自由な暮らし

― オーストラリアとの二地域居住の経緯を教えてください。

大学時代から旅行会社を志望していましたが、卒業してすぐに就職するのはつまらないと思い、ワーキングホリデーでオーストラリアへ。そのままシドニーの旅行会社へ就職しました。当時から休暇ごとに帰国していましたが、会社員だったので今みたいにゆったりしたものではありませんでした。

今のような暮らしができるようになったのは10年前。起業して自由に飛び回れるようになりました。日本でもビジネスをするようになったので、2ヶ月に1回はこっちに戻ってきていました。

―多拠点生活になったのはいつからですか?

6年前です。実家がある横浜、家族がいる福岡、そして東京。海外も旅行しながらいろいろ回っていました。

― ご家族と会う時期や頻度は決めていますか?

特に決めていないです。会いたい時に会うという感じ。子どもと海外に行くこともあって、一緒にセブ島に留学しました。本当に自由にやっています。

直感で決めて生まれたエコビレッジ「地球人村」

エコビレッジ「地球人村」にあるゲストハウス(外観)

客室は趣がある和室

― 現在の拠点はどちらですか?

大分県の安心院町(あじむまち)で、エコビレッジ※「地球人村」をオープンしました。でも、東京にもちょこちょこ行っていますよ。

※エコビレッジとは…持続可能性を目指し、「住民がお互いに支えあう仕組み」と「環境に負荷の少ない暮らし方」を求める人々が、意識的に創るコミュニティのこと。

近所のパワースポット・仙の岩。大自然に囲まれたロケーション

― 安心院町でエコビレッジをしようとした理由は?

直感です(笑)。友人から安心院町に空き家があると聞いたのがきっかけです。

ここに来る前、オーストラリのパースでゲストハウスを運営していましたが、コロナの影響で利用客が減ったので日本に戻ることを決めました。

次に何をしようか考えた時に思いついたのが、日本の地方を盛り上げること。空き家を活用して面白いことができればと思いました。その時にタイミング良く、安心院町の空き家の話を聞いて、それならここにゲストハウスを作ろうかと。以前訪れたことがあったのですが、その時にとてもいい所だと思って。それ以来ずっと頭の片隅にあったんです。ここは本当に気が良いんです。

日本のゴルフ聖地100に入るゴルフ場も近くにある

― 本当に自由なライフスタイルですね。

僕は決めつけられる生き方が嫌で、人とのご縁を大切にしているので、お呼びがかかったらすぐに行きたいんです。先日も、友人が福岡にゲストハウスを作るから手伝ってほしいと言われたので行ってきました。そういうことは全然珍しくないですよ。人のご縁を最優先に、面白そうと思ったら動く感じです。

遊び場は世界! 自由なライフスタイルを満喫

― ゲストハウス運営以外にもお仕事はされていますか?

10年前に起業をし、5年前からアフィリエイト事業など、今まで国内外で15以上のビジネスを行ってきました。僕が出向かなくても収益が出る仕組みを作りました。

ゲストハウスは仕事というよりも趣味みたいなもの。でも、僕自身、良い意味で仕事を遊びと思っているので、どれも楽しいですよ。

二地域居住は「皆するべきもの」

― BENさんが考える二地域居住のメリット・デメリットを教えてください。

正直、メリットしかないと思っています。さまざまな場所で暮らすといろんな人に出会える。人との出会いによって生きた情報を得られるし、新しい考えに触れることでアイディアもたくさん湧いてくる。それまでとはまた違う景色が見えるようになる。毎日、僕の生活には変化しかないです(笑)すごく楽しいですよ。

デメリットを強いて言うなら、友達に会いたい時にすぐに会えないことかな。それくらいで、あとは全部メリットだと思います。

― 二地域居住に向いている人はどんな人だと思いますか?

新しい環境に飛び込むから、順応性があったりオープンマインドだったりする人は向いていると思います。

でも、向き・不向きいうよりも、みんなしたほうがいいと思います。人生の選択肢に入れてほしいです。二地域居住や多拠点居住は人生の幅が広がります。人との出会いや新たな土地での発見で、いろいろな景色を見られますから。日本人は一カ所に土着する文化が根付いているけど、一カ所だけではもったいない。オーストラリアは移民文化で、実際に引っ越ししやすいです。住民票がないから変える手間もない。海外はそういうところが多いんですよ。そういう環境で暮らしていたから、僕にとって多拠点居住は特別なことではないんです。

― 高齢者が二地域居住をする上で準備したほうがいいことはありますか? または、BENさん自身が気をつけていることはありますか?

将来の備えです。これから日本では年金が減ったり課税が増えたりとさまざまなリスクが考えられます。だからこそ、老後に向けた資産形成はしたほうが絶対にいい。僕自身、お金に関するセミナーを開催して、そのようなことを話しています。

今の時代、資産形成は少ない金額からでもできるし、インターネットを活用した収益構造を作ることもできる。僕のように空き家を活用してゲストハウスを作るのもオススメです。

― 最後に、これから二地域居住をする方に向けてメッセージをお願いします。

最初の一歩を踏み出すことは勇気がいることです。でも、拠点を増やすことは確実に人生を豊かになると思います。とはいえ、やっぱり不安はあると思うので最初は移住プログラムに参加したり、ゲストハウスに1ヶ月宿泊したりなどしてみるといいと思います。小さなステップから始めて、少しずつビジョンを固めていけばいいかなと。はじめのステップに僕のエコビレッジも選択肢も手に入れてもらえると嬉しいです。

二地域居住・多拠点居住は「人生を味わい深くする生き方」

四季折々の花を愛でながら、深呼吸をしたいスポット

今回お話を伺って印象的だったのは「二地域居住はするべき」という言葉。それくらい、BENさんが得たものは大きかったことが伝わってきました。常に視野を広げ続け、今を大切にする姿勢によって、人の何倍も濃厚な人生を創り上げているBENさん。二地域居住の達人といえるBENさんの言葉一つひとつには、重みがありました。人のご縁を大切に、変化を楽しむ姿は、どんな時でも楽しめる生き方のヒントになったのではないでしょうか。

二地域居住を検討されている方やBENさんのお話を伺いたい方は、一度エコビレッジに行ってみてはいかがでしょうか。

BENさん、この度は誠にありがとうございました。

著書の出版記念講演会での一コマ

(取材・執筆/阿部 恭子)

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コロナ禍のテレワーク普及によって住まいに対する考え・価値観が変わり、二地域を拠点に生活する「デュアラー」が増えています。

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