春の古馬女王決定戦・第16回ヴィクトリアマイル(16日=東京芝1600メートル)の追い切りが12日朝にスタートした。美浦トレセンではグランアレグリアが4着に敗れた大阪杯の借りを返すべく、完璧な最終追い切りを披露した。パートナー・ルメールの感触とともに、女王の復活リハをお伝えする――。
高い支持を集めた大阪杯では4着に敗れたが、舞台は初の2000メートルに加え、初めてのコーナー4つ。おまけに道悪馬場となり、実際の距離以上にスタミナを求められるシチュエーションとなってしまった。それでいて1番人気コントレイルとはクビ差。もう1頭のライバル・サリオスには先着したのなら悲観する必要はあるまい。
厩舎の番頭格・津曲助手も「極端に悪い馬場で初めての距離。それでも5番手で流れに乗って、我慢の利いた走りができていました。力は示すことができた一戦だったと思います」と前を向く。
最終追い切りは主戦ルメールを背に美浦南ウッドで併せ馬。2馬身先行した同厩の障害未勝利(レッドサイオン)を抜群の手応えで追走すると、4角ではインへ。直線は手応え優勢のまま、楽々と併入フィニッシュを飾った(6ハロン82・7―66・3―51・7―37・9―12・4秒)。この馬らしい前進気勢と回転の利いたフットワークで、大阪杯敗戦のダメージはみじんも感じられない。
騎乗したルメールは「すごくいい追い切りができました。3、4コーナーでは自分から走りたい感じで元気一杯でしたが、直線ではしっかり伸びてくれた。息も、フットワークも良かったし、全部良かったです」と百点満点の評価。
続けて「前走は馬場状態と距離のコンビネーションが悪くて、最後は疲れてしまいましたが、今回は1600メートルに戻って馬場も良さそうですから、彼女にとって完璧なコンディションだと思います。昨年の安田記念ではアーモンドアイを負かしているくらいですからね。今週も大きなチャンスなので頑張りたいです」と、先週のNHKマイルC(シュネルマイスター)に続く2週連続のGⅠ制覇へ気合をこめた。