新潟市消防局が東京2020オリンピック・パラリンピックに向けた特殊災害対応訓練を実施

負傷者を救助する隊員

新潟市消防局は12日、来たる東京2020オリンピック・パラリンピックに向け、テロ対策の一環とする特殊災害対応訓練を行った。

この訓練は、新潟駅前ABCビルの建物内で何者かが液体(サリンと想定)をばらまき、建物内にいた20名が暴露したと想定し、救助救出、剤の拡散防止、傷病者の除染、救急車での搬送等を実施することで特殊災害が起きた場合の対応力を向上させるものとなっている。

訓練は21隊85名の隊員により遂行された。化学剤によって負傷した歩行不能(意識なし)の4名(ダミー人形)、自力歩行不能(意識あり)の13名(生体)、自力歩行可能(症状なし)の3名(通報者等)の計20名を陽圧化学防護服を着装した隊員が室内に進入して救出し、その後、化学防護服を着装した隊員によって除染を行った。

訓練終了後、消防局長の小林佐登司氏は「正念場となるような災害対応活動となるため、それぞれ部隊間の連携や意思の疎通、情報共有が非常に重要となる。オリンピックも当然のことながら、日常の事故などにも備えてこれからもしっかりと訓練に取り組んでいく」と話した。

現場に規制線を張り、隊員が防護服を着用する様子

サリンと見られる液体を専用のシートで拡散を防止する様子

負傷者(ダミー人形)を除染する様子

トリアージテントの様子(赤シート側が最優先治療群、黄シート側が待機的治療群)

除染した負傷者を救急車に搬入する様子

救助に当たった隊員を除染する様子

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