ALS事件の医師ら3人、10年前の殺人容疑で逮捕 京都府警、被害者は医師の父

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山本直樹被告(フェイスブックから)

 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者に対する嘱託殺人罪などで医師2人が起訴された事件で、10年前にうち1人の父親を殺害したとして、京都府警捜査1課と中京署は12日、殺人の疑いで、いずれも医師の山本直樹被告(43)=住所不定=と大久保愉一[よしかず]被告(43)=仙台市泉区=を再逮捕した。また、同容疑で山本被告の母淳子容疑者(76)=長野県軽井沢町=を逮捕した。
 3人の逮捕容疑は共謀して2011年3月5日、東京都内で、山本容疑者の父靖さん=当時(77)、東京都中央区=を何らかの方法で殺害した疑い。府警は3人の認否を明らかにしていない。

 捜査関係者によると、靖さんの死亡について当時は捜査の対象にならず、遺体は司法解剖されなかった。すでに埋葬されており、10年前の「遺体なき殺人事件」について府警がどう立証するかが、今後の捜査の焦点になる。3容疑者は靖さんが死亡した前後に、殺害についてほのめかすメールをやりとりしていたという。

 捜査関係者によると、靖さんは当時、精神疾患で長野県内の病院に入院していたが、重篤な状態ではなかったという。山本容疑者らが転院を申し出て、靖さんを連れ出した当日に死亡したとみられる。

 11年当時、山本容疑者は前年に医師免許を取得したばかりだった。大久保容疑者は10年に医系技官を勤めていた厚生労働省を退職して、宮城県内の病院に勤務していたという。2人は医学生だった20代の頃に知り合ったとされる。

 山本、大久保両容疑者は共謀してツイッターで知り合った京都市中京区のALS患者の女性=当時(51)=から依頼を受け、19年11月30日に同区のマンションを訪れて女性に薬物を注入して急性薬物中毒で死亡させたとして、昨年8月に嘱託殺人罪で起訴された。その後、海外で安楽死を希望していた別の難病患者の女性の診断書を偽造していたとして、有印公文書偽造罪などで追起訴された。

大久保愉一容疑者(クリニックHPから)