覚醒の予感! “オリックスのラオウ”杉本を変えたのは何だ?

“オリックスのラオウ”杉本

オリックスの和製大砲・杉本裕太郎外野手(30)が「覚醒の時」を迎えようとしている。

漫画「北斗の拳」に登場するラオウを心酔するプロ6年目は今季開幕から好調を維持。12日現在で打率3割1分8厘、8本、20打点をマークするなど今やチームの主軸として欠かせない存在になりつつある。

昨季まで一軍通算出場が計76試合。通算本塁打も僅か9本だった。そんな杉本が今季シーズン序盤だけで自己記録を大幅に更新する勢いだ。一体何が“ラオウ”を変えたのか。

大きな転機が昨季途中の監督交代劇と言われる。身長190センチ、体重104キロの杉本はその体格を活かすべく2015年のプロ入り直後から長距離砲として期待されていた。だが、当時から昨季途中までチームを指揮した福良、西村両監督の野球は「機動力重視」。足が使えず確実性も見込めない大砲は軽視されがちだった。

だが、昨年8月から西村前監督に代わって指揮を執る中嶋監督は性格が明るく長打で試合の流れを変えられる杉本を二軍監督時代から評価。自らが一軍の指揮を執ることが決まった直後から一軍昇格させ才能の開花に期待した。この期待に応えるべく、杉本も確実性を上げるためコンパクトな打撃も意識。これが自身の成長にも繋がった。

ドラフト10位入団とはいえ、オリックスには91年ドラフト4位で入団も監督交代を機にプロ3年目から一流選手へと駆け上がったイチロー氏(47)がいる。その同氏から以前「追い込まれたら(一発狙いではなく)アプローチを変えないと」と助言を受け、今もその教えを忘れていない遅咲きの大砲。偉大な大先輩の道を踏襲しながら“球界の拳王”として君臨できるか。今後の活躍に注目が集まっている。

© 株式会社東京スポーツ新聞社