東京都議会議員選挙が6月25日告示日、投開票日が7月4日として予定されています。議員定数は127で、有権者が各選挙区の議員を投票により決めます。
2021年の今年に予定されている都議選は、新型コロナウィルス感染症が収束しない状況下で行われそうです。
COVID19は、日本の医療介護、基礎研究体制がどのような状況にあるのかを、教育についてはオンライン授業体制が構築できているのか、国、地方自治体等が緊急事態になったときに具体的に対処できるのか、企業等においては不必要な業務慣習等について明らかにしてきました。
そしてこれらの内容を諸外国と比較することで、COVID19は日本が置かれている状況も明らかにした部分もあります。
このような日本と海外との違いを見ると、選挙で各現場において力を発揮できる議員を選出することが、自分(地域住民)の生命財産等を守ることにつながるので、選挙において有権者の意思を示すことは大切なこととなります。
これまでの有権者の投票行動が現在の状況をつくっている面もあるので、過去の都議会議員選挙のデータを振り返りたいと思います。
まず、有権者の投票率ですが、都議会議員選挙の投票率は下記のように推移しています。
図1 【都議会議員投票率推移】
都議会議員選挙初期の頃より、投票率は低下傾向にあることがわかります。
そしてこの投票率を年代別に観察すると、年代が上昇するほど投票率が上がる傾向にあります。
図2 【年齢別投票率】
ただ、今後の少子高齢化社会等を考えると、若年有権者ほどしっかりと投票を行い、世代の意思を投票で示したほうが良いと思います。
また地域別投票率を平成9年都議会議員選挙から市区町村別にグラフ化すると、区部の投票率が低い傾向、島しょ部の投票率が高い傾向が見えてきます。
図3 【市区町村別投票率】
次に有権者が投票した候補者の選定基準について見てみましょう。
有権者は政党を重視したのか、候補者個人を重視したのかについてグラフにしたものが下記になります。
図4 【政党を重視するか、候補者個人を重視するか】
選挙年によっても異なりますが、この調査結果を見る限り、政党を重視する、候補者個人を重視するのかについては、ほぼ同じ程度のようにも見えます。
国政選挙の調査結果ですと、政党を重視すると回答する人の割当が、候補者個人を重視すると回答する人の割合より多い傾向が見られますが、都議会議員選挙では若干異なるのかもしれません。
また有権者が投票を決定する時期について見てみると、約3割の有権者が選挙期間に入る前から投票する候補者を決めています。
これは国政選挙でも同様の傾向があるので、選挙は選挙期間に入る前から勝負の8割は決まっているという、選挙に関する格言のようなものを裏付けるような結果となっています。
図5 【投票先決定時期】
そして、年齢別に投票する候補者を決めた時期についてみてみると、年齢層が高くなるにつれて選挙期間に入る前から投票する候補者を決めており、若年有権者ほど投票日当日まで候補者選びに時間をかけている様子がわかります。
直近の選挙では投票日当日に投票する候補者を決める人も増えている傾向があるようです。
若年有権者が他の年層と比較をして投票日当日に投票する先を決める割合が多いのは、誰に投票してよいのかわからないのも理由の一つにあります。
ただ、そのような時は、各候補者、各政党は【テレビ、SNS等で発言した内容】を、【実際に実行したかどうか】で判断するのも一つの方法です。
そしてテレビ局、新聞社等のニュースサイトで候補者名や政党名を検索し、実際に市民等に公言したことを実行したかどうかを確認し、投票する人を決めるのもいいと思います。
どうしても人の行動特性として、メディア等で露出度の多い人の発言に目が向く傾向がありますが、
【言ったことより、実行したこと】、【以前と見解が変わったときに、ごまかさずに、見解変更について有権者等に告知したのか?】を投票先の判断基準にするのも有効です。
今回は投票日が迫る東京都議会議員選挙について各種データを観察してみました。