F1リザーブとインディ参戦のフィッティパルディがGドライブ離脱。代役はメリ/ELMS

 Gドライブ・レーシングのクルーとして2021年シーズンのELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズとル・マン24時間レースに参戦する予定だったピエトロ・フィッティパルディが、オープンホイールプログラムとの衝突によりチームを離れることになった。

 GドライブのLMP2オペレーションを担当するアルガルベ・プロ・レーシングは5月12日、フィッティパルディに代わってロベルト・メリがチームに加わり、25号車アウルス01・ギブソンのドライバーとして第2戦以降、残りのELMSイベントを戦うことをアナウンスした。

 元F1ドライバーのメリは、同チームに所属するジョン・ファルブ、ルイ・アンドラーデとともに25号車アウルスのコクピットをシェアすることになる。

 元F1王者のエマーソン・フィッティパルディを祖父に持つブラジル人は前年に引き続き2021年もハースF1のリザーブドライバーを務めると同時に、デイル・コイン・レーシングとリック・ウェア・レーシングのコラボレーションチームに参加し、NTTインディカー・シリーズのオーバルラウンドに参戦中だ。

 そのインディカーでは、セントルイスのワールドワイド・テクノロジー・レースウェイで開催されるシーズン第14戦が、例年の6月から8月21~22日に延期されたル・マン24時間レースとバッティングしている。

 ELMSとフィッティパルディが出場するインディプログラムとの間に直接的な日程の重複はないものの、24歳の彼は、新型コロナウイルスのパンデミックが起こっているなかでの渡航の難しさから一連のプログラムを再検討する必要があった、と説明した。

「残念ながら日程が重なったため、アルガルベ・プロ・レーシングが運営するGドライブ・レーシングでレースを続けることができなくなった」とフィッティパルディ。

「今季のル・マン24時間レースは、僕のインディカーでの活動と重なるようにスケジュールが移動された。また、COVID-19のパンデミックによる渡航制限と相まって、頻繁な日付の変更によってELMSとル・マンのプログラムを継続することが困難になってしまったんだ」

「開幕戦のバルセロナではプロ/アマクラス2位でフィニッシュしただけに残念だよ。続けられたらよかったのだけど……」

「ジョン(・ファルブ)とルイ(・アンドラーデ)と一緒に仕事をするのは素晴らしかった。彼らとアルガルベ・プロ・レーシングと一緒に仕事をする別の機会を得たいと思っているよ」

2021年ELMS開幕戦バルセロナでLMP2プロ/アマクラス2位となった(左から)ルイ・アンドラーデ、ジョン・ファルブ、ピエトロ・フィッティパルディ組

■「ピエトロのハースF1とインディカーでの活躍を願っている」とチームボス

 彼と入れ替わるかたちで今週末の第2戦レッドブルリンクからチームに加わるメリは、テキサスでのダブルヘッダーを戦ったフィッティパルディの代役として5月1日にスパ・フランコルシャンで開催されたWEC世界耐久選手権第1戦スパ6時間レースでもGドライブ・レーシングのマシンに乗り込んでいた。

 アルガルベ・プロ・レーシングのチームプリンシパルであるスチュワート・コックスは、彼のチームはフィッティパルディの方向性を支持していると語った。

 コックスは「ピエトロ(・フィッティパルディ)と一緒に仕事をするのを楽しみにしていたので、当然のことながら非常に残念に思う。彼は短い期間でチームに多くのことをもたらしてくれた。それは2021年のシーズン全体に大きな貢献をするであろうことは間違いない」とコメント。

「私たちは最近のモータースポーツカレンダーの変更を見て、彼のプログラムを合理化する必要性を完全に理解し、その判断を尊重している」

「我々は現在、順応性が必要とされる非常に珍しい困難な時代を生きている。海外への渡航が困難であり、この場合は実行可能な解決策はない」

「私たちはピエトロがハースF1とインディカーのコミットメントで最善を尽くすことを願っている。そして同時に将来、彼とふたたび仕事をする機会があることを願っているんだ」

ELMSにフルシーズンエントリーしているGドライブ・レーシングの25号車アウルス01・ギブソン

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