イギリス、来春にも政府のパンデミック対策を独立調査へ

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イギリスのボリス・ジョンソン首相は12日、2022年春にも、政府の新型コロナウイルス対策について独立調査委員会を立ち上げると発表した。

ジョンソン首相は議会で、政府のパンデミック施策が「顕微鏡で精査されることになる」と述べた。一方で、政府は流行の「すべての段階で教訓を得てきた」と強調した。

これに対し最大野党・労働党党首のサー・キア・スターマーは、なぜ今年末など早い時期に調査を行えないのかと質問した。

首相は、国民保健サービス(NHS)や政府顧問などによるパンデミック対応を、調査によって「不用意に阻害する」ことはできないと答えた。

委託事項などは決定していないが、首相は「近いうちに」発表するとしている。また、スコットランドやウェールズ、北アイルランド当局も調査の対象となるとしている。

イギリスでは12日、新型ウイルス検査で陽性となってから28日以内に亡くなった人が11人だった。新規感染は2284件報告されている。

調査委員会は、ロックダウンの決定時期なども含め、政府のパンデミック対策全体を精査する。

ジョンソン首相は、委員会は「法定の基準」に沿って組織されると説明。この場合、証人は宣誓した上で、召喚や証拠提出に応じる義務が合法的に課せられるとした。

一方で、「ロックダウンの終わりはパンデミックの終わりではない」と述べ、「世界保健機関(WHO)は、パンデミックが現在世界的にピークを迎えており、今年いっぱいは続くと述べている」と話した。

その上で、変異株の脅威や冬季の感染拡大などを踏まえると、来年の春ごろに調査を始めるのが「適切なタイミングだ」と述べた。

インドの変異株を確認

イングランド北西部ボルトンでは、インドで特定された変異株が確認されており、まだワクチンを打っていない25歳以下に感染が広がっているという。

また、スコットランドのグラスゴーでも感染者が増加。感染者数は10万人当たり58.3人と、ロックダウン緩和の基準を上回っている。

イギリスではこれまでに12万7600人が新型ウイルスで亡くなっている。

ジョンソン首相は、COVID-19犠牲者の追悼碑建設計画を承認したと発表。ロンドンのセントポール大聖堂に建てられる予定の追悼碑を「心から」支援すると述べた。

「遅すぎる」との声も

昨年6月の時点で調査委員会の立ち上げを求めていた自由民主党は、政府の言う調査のタイミングは「早期の説明責任から(中略)逃れるものだ」と述べた。

COVID-19遺族の会の共同創設者ジョー・グッドマン氏は、委員会にはまず遺族らが参加し、調査委員長の選定や委託事項の決定などに関わるべきだと指摘した。その上で、来年春という政府のスケジュールは「単に遅すぎる」と述べた。

自由民主党と遺族の会は共に、政府による「非公式の」内部調査の結果を発表するよう求めている。

首相官邸は先に、政府がパンデミック対策について内部調査を行ったことを認めたものの、公開の是非については明らかにしていない。

ワクチン接種対象をさらに拡大

イングランドでは13日午前7時から、38歳と39歳までワクチンの接種対象が拡大される。

また、妊娠中の女性も国立予約センターからワクチンの予約が可能となり、ワクチン担当顧問の助言により、米ファイザーか米モデルナ製のワクチンを接種できるようになる。

イギリスでは成人の35%に当たる1840万人が2回の接種を終了している。1回目の接種が終わった人は3570万人に上っている。

ジョンソン首相はこうした中、6月21日に予定されているパンデミック対策の制限緩和で、在宅勤務の推奨を解除する方針を示した。

同国政府は現在、環境が許す人は自宅で働くよう指示している。

(英語記事 Lessons to be learned from Covid inquiry - PM