
新型コロナウイルス感染症を巡り、県は13日、感染力が強いとされるインド型変異株の感染者が県内で初めて確認されたと発表した。4月にインドから帰国した県内在住の50代男性で、県は「市中感染ではない」としている。
県によると、男性はインドに約2カ月滞在し、4月中旬に帰国。出国前検査と空港検疫はいずれも陰性で、空港から自家用車で帰宅した。自宅待機中の同月下旬、微熱や全身倦怠(けんたい)感の自覚症状があり、医療機関を受診し、新型コロナ陽性と判明。軽症だったが、基礎疾患や肺炎像があったため入院し、5月上旬に退院した。
国立感染症研究所によるゲノム解析でインド株の感染が確認され、13日に県に連絡があった。男性の濃厚接触者は2人で、いずれも新型コロナ陽性で自宅療養が終了しているという。
県担当者は「インド株は感染力が強いとされるが、分からないことが多い」とし、県民に感染防止対策を呼び掛けている。
田村憲久厚生労働相は12日の国会審議で、国内のインド株感染は10日時点で空港検疫を含め70件確認されたと説明している。
また、県は13日、県内で既に発表されている感染者のうち、10~80代の男女60人が変異株に感染していたと発表した。株の種類は、インド株感染の50代男性以外は特定されていない。県内の変異株感染者は1429人となった。