トップ100プロスペクトの同一チーム同時デビューは史上3例目

マリナーズはジャレッド・ケルニックとローガン・ギルバートの両プロスペクト(若手有望株)が日本時間5月14日にメジャーへ昇格することを正式に発表した。プロスペクト右腕のギルバートは同日のインディアンス戦での先発が予定されており、プロスペクト外野手のケルニックは左翼手としてスタメンに名を連ねることが有力視されている。チーム再建を進めるなかで多数のプロスペクトを育ててきたマリナーズの「明るい未来」がいよいよ本格的にスタートする。

プロスペクトの情報を中心に扱う「MLB Pipeline」のプロスペクト・ランキングによると、ケルニックは全体4位、ギルバートは全体28位(注・シーズン開幕時は33位)という高い評価を受けている。21歳のケルニックは広角に鋭い打球を打ち分ける完成度の高い打者として知られており、走塁や守備もハイレベル。走攻守すべてを兼ね備えた5ツール・プレーヤーとしてオールスター常連のスター選手になる可能性を秘める。

一方、24歳のギルバートは先発2番手クラスのポテンシャルを秘める右腕であり、90マイル台後半に達する速球、スライダー、カーブ、チェンジアップとすべての球種でストライクを取ることができる。プロスペクト・ランキングで全体トップ100に名を連ねるレベルの有望株が同じチームで同じ日にメジャーデビューするのはメジャーでも非常に珍しいことである。

前出の「MLB Pipeline」がプロスペクト・ランキングを作成するようになった2004年以降、全体トップ100にランクインしているプロスペクトが同じチームで同じ日にメジャーデビューしたのは過去に2例しかない。1度目は2013年開幕時に全体13位だったクリスチャン・イェリッチと同70位だったジェイク・マリズニックが同年7月23日(現地時間)にマーリンズでメジャーデビュー。イェリッチは「2番・レフト」、マリズニックは「6番・センター」でスタメンに名を連ねた。

2度目は2016年開幕時に45位だったマニュエル・マーゴと同92位だったハンター・レンフローが同年9月21日(現地時間)にパドレスでメジャーデビュー。マーゴは代走から、レンフローは代打から途中出場し、それぞれレフトとライトの守備に就いた。ただし、このパドレスのケースは9月に入ってロースター枠が25人から40人に拡大されたあとの事例である。

今回のマリナーズのケースは投手と野手が1人ずつという点において史上初の事例となる。また、2人の順位の合計が37(4+33)というのは3例のなかで最少。2人ともトップ35以内というのも初めてのことである。ケルニックとギルバートはデビュー戦でどんな活躍を見せてくれるだろうか。マリナーズの「明るい未来」がついに幕を開ける。

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