亀田製菓株式会社(新潟市)は13日、2021年3月期決算(連結)を発表

亀田製菓株式会社(新潟市)は13日、2021年3月期決算(連結)を発表した。売上高1,033億500万円(前期比△0.5%)、営業利益56億2,000万円(同△3.3%)、経常利益68億8,900万円(同△0.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益47億5,700万円(同6.6%)となった。

国内米菓事業(売上高)は、主力ブランドの「亀田の柿の種」「つまみ種」「ぽたぽた焼」「揚一番」「ソフトサラダ」の売上高が前年同期を上回った一方で、「ハッピーターン」「亀田のまがりせんべい」「手塩屋」「うす焼」「技のこだ割り」「堅ぶつ」「ハイハイン」は積極的な販売促進活動などが一巡した結果、前年同期を下回った。

海外事業(売上高)については、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大により、一部オペレーションへの制約はあったものの、重要拠点と位置付ける北米のMary’s Gone Crackers, Inc.が、工場の操業を継続することで安定した業績を確保。また、健康志向の高まりを背景に、これまで講じてきた新規取引先および販売エリアの拡大が奏功し、家庭内消費と備蓄需要も相まって、売上高は前年同期を上回った。アジアにおいても、LYLY KAMEDA CO., LTD.が豪州における巣ごもり需要を享受するなど総じて安定した業績を確保した。

食品事業(売上高)については、個人消費を中心に備蓄需要が拡大し、長期保存できるアルファ米やロングライフのグルテンフリー米粉パンが堅調に推移した結果、売上高は前年同期を上回った。

米菓(営業利益)については、スーパーマーケットやドラッグストアを中心としたコロナ禍の巣ごもり需要による増収効果に加え、生活スタイルの変化によって家飲み需要が定着。この結果、おつまみ系商品が好調に推移し、プロダクトミックスが改善した。

海外事業(営業利益)については、新型コロナウイルス感染症の影響はあるものの、かねててより進めてきたMary’s Gone Crackers, Inc.の構造改革効果や増収に伴う生産ラインの安定稼働、LYLY KAMEDA CO., LTD.の事業黒字化によってセグメント利益の赤字幅を抑制した。一方、百貨店向け商品や土産物商品を扱う子会社は、新規販路開拓や新商品アイテム投入、固定費抑制により最悪期を脱したものの、外出自粛の影響が引き続きあった。

経常利益についてはTH FOODS,INC.において新型コロナウイルス感染症拡大に伴い一時的な人員不足から供給能力が低下した影響や、Daawat KAMEDA (India) Private Limitedの工場稼働に伴う固定費の増加などにより持分法による投資利益が減少した。

親会社株主に帰属する当期純利益については、前年におけるタイの事業再編などによる特別損失が減少した。

一方、前期は、中長期のブランド価値向上の観点から「亀田の柿の種」について、2019年に実施した国民投票の声を商品に反映させるために約40年振りに柿の種とピーナッツの配合比率の変更を行なった。

また、世界的に広がる米菓需要を捕捉する目的から、クロスボーダービジネスの新たな拠点としてSingha Corporation Co., Ltd.と共同で輸出向け米菓製造販売の合弁事業を開始し、第2四半期から操業を開始したという。

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