【夏場所】薄氷の3勝目を挙げた朝乃山 中盤戦以降の反撃に向けて気になる「集中力不足」

朝乃山(左)は翔猿に足を取られてヒヤリとさせられた

大相撲夏場所5日目(13日、東京・両国国技館)、大関朝乃山(27=高砂)はくせ者の幕内翔猿(29=追手風)の粘りに苦しめられたが、最後は上手投げで退けて3勝目を挙げた。

立ち合いで左に変わられたところは冷静に対応。左を抱えてから上手をつかんで振り回す形で体勢を崩しにいったが、翔猿に左足をつかまれ、最後はもつれるように倒れた。

結果的には物言いもつかずに白星が先行。だが、取組後のオンラインでの取材には首をかしげるシーンが目立った。

「何をしてくるかわからないけど、足を取られるのは見えたので体が反応した。強引な投げだったけどよかった」と安堵。それでも「少し慌てた」と付け加えるのも忘れなかった。

今場所は序盤で早くも2敗。自分の相撲が取れていない自覚は強く持っている。それが焦りを生み、「慌てた」相撲になってしまっている。この日、翔猿に足を取られたのも予想外だったというが、すべての原因は「自分の集中力不足」。なぜか立ち合いから集中できず、それが相撲の流れを悪くしているわけだ。

中盤戦に向けては「どっしりとして自分の相撲を取りきって頑張りたい」と巻き返しを誓う。だが、肝心の「集中力不足」は改善策が見つけられないのが現状。土俵に立ちながら、一日一日修正していくのが大関の使命だが、朝乃山の悩みは簡単に晴れそうにない。

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