ダイニチ工業株式会社(新潟市南区)が2021年3月期決算を発表

ダイニチ工業株式会社(新潟市南区)は13日、2021年3月期決算(非連結)を発表した。売上高は228億8,400万円(前期比21.6%増)、営業利益は20億900万円(同18億2,800万円増)、経常利益は20億4,700万円(同822.3%増)、当期純利益は14億6,600万円(同13億500万円増)となった。通期の業績見通しについては、売上高229億円(前期比0.1%増)、営業利益22億円(同9.5%増)、経常利益22億円(同7.5%増)、当期純利益15億8,000万円(同7.8%増)を予定している。

この期は、偏西風の蛇行やラニーニャ現象の影響により、12月中旬以降は大陸からの寒気が日本付近に流入し、冬型の気圧配置が強まりやすい状態が続いた。このため、同社の主力分野である石油暖房機器業界においては、市場規模は前年に比べ拡大した。こうしたなかにあって同社は、市場や住環境の変化に対応した商品開発に取り組んだほか、生産活動の強化と販売チャネルの拡大に取り組んだ。

暖房機器

暖房機器において、幅広い年代の人にとって「よりわかりやすい」ことを重視し、操作ボタンや表示部の視認性と操作性を向上させた10機種を発売した。このほか、3枚の動くフラップ(快温トリプルフラップ)と2枚の固定ルーバを搭載し足元から部屋を効率よくあたためるSGXタイプを始め、全13タイプ38機種の商品を販売した。

また電気暖房機器において、3(トリプル)安全装置付きセラミックファンヒーター2機種を販売し、脱衣所やキッチンなどスポット暖房の需要に対応した。

この期は12月中旬からの気温の急激な低下により、家庭用石油ファンヒーターの即暖性が評価された。この結果、暖房機器の売上高は149億6,100万円(前期比14.6%増)となった。

SGXタイプ

環境機器

加湿器において、設定湿度への到達時間を従来機より約30%短縮する高い加湿能力、家庭での使いやすい本体サイズ、部屋に溶け込むデザインを融合させたハイブリッド式加湿器のハイエンドモデル「LXシリーズ」2機種を発売し、RXシリーズやHDシリーズとあわせて、全4シリーズ20機種の商品を販売した。

燃料電池においては、2019年10月より「燃料電池ユニット(貯湯タンク内蔵)」の受託製造を開始している。

この期は、新型コロナウイルス感染症の予防対策として加湿器の販売が好調に推移した。この結果、環境機器の売上高は69億1,400万円(前期比48.4%増)となった。

ハイブリッド式加湿器 「LXシリーズ」2

その他

加湿器のフィルター販売などが堅調に推移したが、金型などの販売が減少し、売上高は10億900万円(前期比9.3%減)となった。

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