【特集】18歳修行中!『高校そば部』から『そば職人』の道へ 人気そば店に就職 「いつか自分の店を」

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特集は、そば打ち職人を目指す若者です。長野吉田高校・戸隠分校の「そば部」で部長を務めた18歳がこの春、長野市信州新町の人気そば店に就職。プロの道を歩み始めました。

打ち立てのそばを求めて客が後を絶ちません。長野市「道の駅 信州新町」に店を構える「そば信」です。「そばの里」として知られた信州新町の左右地区の民宿がルーツで、過去、道の駅などの食事メニューのコンクールで金賞を獲った、人気も実力もある店です。

客:

「おいしいです。そばの感触というか、歯応えが好き」

その人気店に、若者が一人、仲間入りしました。小林優斗さん18歳。この春、高校を卒業した新入社員です。

小林優斗さん:

「お昼になるとすごく忙しくなって、大変なこともありますけど、楽しい」

去年7月も小林さんはそばを打っていました。幼いころからそば好きで、進学した長野吉田高校・戸隠分校では迷わず「そば部」に入部。基礎を一から学び、全国大会では「敢闘賞」を獲得するほどの腕前に。3年生になると部長として、仲間を引っ張りながらそばを打ち続けてきました。

小林優斗さん:

「実際入ってみたらのめりこんでしまいました。お店とか場所によって打ち方も違いますし、味も違うというのが深いなって思いますね」

3年間打ち込んだ「そば打ち」を仕事にしようと、プロの道に進むことを決心。顧問の紹介もあり、「そば信」に就職しました。

小林優斗さん:

「迷いとかはなかったですね、ここだって思って」

部活の経験があるとはいえ、まだ修業中。客に出すそばは打てません。仕事の合間に研さんの日々です。

そば信・中村翔店長:

「もうちょい薄くだね」

小林さんは今、壁に直面しています。これまで学んできた打ち方と、店の打ち方に大きな違いがあるのです。

高校時代に練習してきた「戸隠流」は、生地を丸くのすに対し、「そば信」では四角くのします。麺の太さも「そば信」は2.5ミリほどで、部活で打ってきた太さの倍近くあります。

そば信・中村翔店長:

「力強い太めのそばなので、慣れるのもちょっと大変かな。いい具合にうちのそばに近づいている。早くそばをお客さんに召し上がっていただけるようになればいい」

小林優斗さん:

「もっとできるかなと思ったけど、やり方が違うと今まで慣れていたものからなかなか抜け出せなくて、新しいものに挑戦するのが難しい。ほとんど一からみたいな感じで」

昼が過ぎ、店が落ち着くと、小林さんは近くにある店の工房へ。天ぷらの材料を仕込むのも大事な仕事です。

小林優斗さん:

「そもそも、そばを打つのが好きでそば関係の仕事に入りたかったので、毎日こうして職場で打てるのがうれしい」

休日の息抜きは小学校時代から続ける「けん玉」です。でも、自宅でもそば打ちの研究は怠りません。

小林優斗さん:

「きのう、自分で打ってきたやつです。太さとか、頑張って打ってきたので、自信あります。沸騰してぐるぐる回っている感じが、ゆで方としていいって聞いたことあります」

ゆで上げて、盛り付けると…。

小林優斗さん:

「やっぱ切れちゃうな。自分のそばだと」

家族にも味を確かめてもらう…。

父親:

「歯応えあるね。うん、おいしいね」

小林優斗さん:

「やっぱり違う?学校の頃と」

父親:

「全然、違うね。しっかりしている」

小林優斗さん:

「照れますけど、うれしいですね。こう見ると、店で出すそばより細いかな。次からは全体的に太く切っていこうかな」

「職人」を目指す小林さんの姿に家族は…。

母親:

「安心したというか、やりたいことやってくれればいいと思っていたので、これからも少しずつでいいので成長してもらえれば」

家族の応援を背に「そば職人」として第一歩を踏み出した小林さん。「そば信」で一人前の職人になることが当面の目標ですが、その先も見据えています。

小林優斗さん:

「早く自分も戦力になれるように、何度も『そば信』のそばを食べに行きたいという、そういう味をつくれるように頑張りたい。夢は、20年、30年、どれくらいたつか分かりませんが、いつか自分のお店を持てたらいいと思っている。自分のそばの味を求めて何回も来てくれるような、常連さんがたくさんいるお店をつくりたい」

いつか、自分のそばを多くの人にー。夢が膨らむ18歳の春です。