体操の東京五輪選考会となるNHK杯(15日開幕、長野・ビッグハット)の公式練習が14日に行われ、全日本選手権決勝の鉄棒で落下してヒジを負傷した北園丈琉(18=徳洲会)が元気な姿を見せた。
悪夢が起きたのは3週間前。「ボキボキっていって、何かしら折れたと思った」。激痛が走り、同時に五輪は絶望となった。病院での診断は右ヒジの靭帯損傷と剥離骨折。その瞬間「絶対に無理だ」と諦めたという。
しかし、多くの人に支えられ、この舞台に立つことができた。絶望の淵から救ったのは五輪個人総合2連覇・内村航平(32=ジャイカル)だった。
「ケガをして3日後くらいに内村さんから電話をもらったんですよ。『大丈夫?』みたいな言葉をもらって、スッキリして頑張ってみようかなって思いました」
約10分間、キングと会話。最も勇気づけられたのは「気持ちを切らさなければ絶対に戻ってきられるから」という言葉だった。
「気持ちはほぼ折れていたんですけど、その言葉で自信がつき、頑張ろうかなと思いましたね」
奇跡的に復活し、五輪団体入りの切符を懸けて最後の戦いに臨む北園は「やっとここまで来られた。出るからには自分の納得のいく演技がしたい。五輪代表を最後まで諦めずに頑張りたい」と気合を込めた。