サイエンス誌も東京五輪に疑問「国民のワクチン接種1% 五輪の準備はできているのか?」

米科学誌「サイエンス」も東京五輪開催を疑問視

科学の目から見ても、疑問だらけのようだ。米科学誌「サイエンス」(電子版)は13日、「国民のワクチン接種1% 五輪の準備はできているのか?」との記事を掲載。東京五輪開催を進める姿勢に疑問を投げかけた。

記事では、新型コロナウイルス患者が急増する一方で、完全に予防接種を受けているのが人口のわずか1%と指摘。ワクチン接種が一向に進まない理由について、感染症に詳しい医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広氏の解説を踏まえ、日本の問題点を挙げている。

さらに各国選手団は国際オリンピック委員会(IOC)からワクチンの提供を受けるが、円滑な大会運営に欠かせない7万5000人以上ものボランティアには保証されていない矛盾を指摘。政府が開催を推し進める一方で、観客数などいまだ不確実なことが多く「多くの人が開催すべきかどうか疑問視している」と反対の声が高まっていることに触れた。大阪での聖火リレーが公道ではなく無人の万博公園で行われたが「その孤独なレースは、東京五輪で待ち受けているものの予兆かもしれない」と締めくくっている。

安全安心の大会を掲げる東京五輪だが、コロナに対する〝武器〟にもなるワクチン接種が進んでいない現状での開催は、科学の目からも疑問満載のようだ。

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