期待は高いが初勝利は… ロッテ・佐々木朗希 16日の西武戦にプロ初登板正式決定

プロ初登板が決まったロッテ・佐々木朗

期待は高いとはいえ初勝利は厳しいかもしれない。「令和の怪物」ことロッテの佐々木朗希投手(19)が16日の西武戦(ZOZOマリン)でプロ初登板することが正式に決まった。

14日の試合前に井口監督が佐々木朗の登板日について言及。「日曜日に登板? はい」と」明言したうえで「(佐々木朗には)もう任すぞ、という話はした。本人が一番楽しみにしている感じに見えました。(顔つきは)やってやる、という顔にはなってますね」と待望の剛腕一軍デビューに期待を寄せた。

昨年1月の新人合同自主トレからプロの道を歩み始めおよそ1年5か月あまり。この間、体力不足もありプロ初登板までは時間を要したが、今年3月のオープン戦登板(中日戦)やその後の二軍戦では好投を連発した。

それだけにチーム周辺やファンからは早くも「プロ初登板で初勝利を飾るのでは」という声も出ているが、この偉業には高い壁が立ちはだかる。今回の登板には「本人に過度な負荷をかけない」というチーム方針もあり「85球前後」という球数制限があるからだ。

一般的な投手であれば5回を80球程度で投げ切れる。佐々木朗も前回登板(8日のイースタン楽天戦)は6回を85球1失点(自責0)で切り抜けた。となれば、今回も85球で勝利投手の権利を得る5回を投げ切ることは可能だが、相手は同一リーグの宿敵・西武。みすみす黄金新人にプロ初勝利を許す気はない。

対策は講じるようで、ある西武関係者によれば「少なくとも(打線の)一巡目はじっくり球筋を見ていく予定。早打ちして佐々木君を助ける必要はないですから」と〝待球戦法〟で洗礼を浴びせるつもりでいるという。となれば、ストライク先行の剛腕とはいえ5回を85球前後で投げ切るのは至難の技だろう。

そんな厳しい船出を強いられる佐々木朗は14日に一軍練習に合流。試合前にはブルペンで21球を投げ込み最終調整を行った。自ら難題を克服し、プロ初登板を白星で飾れるのか。令和の怪物の第一歩に注目が集まる。

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