町あかりの「ああ憧れの昭和歌謡TV」 <第7回 日本テレビ「歌のトップテン」(1986年11月10日放送回)>

平成3年生まれのシンガー・ソングライターである私、町あかりは、昭和時代に放送されていた「音楽番組」に憧れています! 検索して調べてみると、かつては毎日のようにたくさんの音楽番組が放送されていたんですね。そしてそれらは令和になった今見てもキラキラと輝いていて、私たちをワクワクさせてくれるのです。

そんな珠玉の昭和の音楽番組について熱く語るこちらの連載企画、第7回は日本テレビ「歌のトップテン」をピックアップ。CS放送・ホームドラマチャンネルで5月21日に放送される、1986年11月10日放送回を見てみました。

人気音楽番組「歌のトップテン」は86~90年に放送され、このランキング形式の「トップテン」シリーズの第3弾なのだそうです。当時の司会者は徳光和夫さんと石野真子さん。東京・渋谷公会堂からの公開生放送で、会場には修学旅行で都内を訪れた北海道の農業高校、看護専門学校等の学生さんらの姿も。特に工業高校の男の子たち歓声がヤンチャな感じで、“THE80年代!”といった雰囲気で最高です(笑)。

今回、印象的だったのは「バンド」の活躍! 80年代後半からのバンドブームの先駆けといった感じで、勢いのあるバンドが何組も登場しているのです。

まずは、レベッカの「LONELY BUTTERFLY」が9位にランクイン。私、80年代後半のバンドブームの頃のヒット曲プレーリストを最近サブスクでよく聴いているのでテンション上がります! うれしい!

この日はリハーサルスタジオからの中継で、ボーカル以外の楽器隊の演奏は当て振り(生放送の中継ですもんね)だったようで、それを生かして、途中でメンバー同士が担当楽器を交換するというおちゃめな演出も。そして、NOKKOさんの熱のこもった歌声がとにかくパワフルで胸に刺さります。一方でバンドメンバーのリラックスした表情には親近感も湧き、カッコよさとかわいらしさが同居しています。これは憧れちゃうよなぁ! 当時のヒットの理由がよく分かります。

次に、安全地帯が8位「Friend」で登場。曲の良さはもちろん、玉置浩二さんの情感たっぷりの歌声に耳と目がくぎ付けに…。構成もドラマチックで、まるでミュージカルを見ているみたい。見たこともないような斬新なヘアスタイルにはビックリ! 例えば、今薄めの前髪がはやっているように、これをまねしたい!と思える時代もまた来たりして?

さらに、今週の2位と1位は両方ともバンドがランクインしています。まずは、1986オメガトライブが2位の「Cosmic Love」で登場。学園祭ツアーを行なっているそうで、学生だらけの熱気あふれるコンサート会場からの生中継です。ボーカル、カルロス・トシキさんの「風邪をひいて喉がかれてしまって…」というMCからは、当時いかに大人気で多忙だったのかが伝わってきます。しかし、学園祭にオメガトライブが来るなんてめっちゃいいなー! うらやましい!

そして、1位はチェッカーズの「NANA」。とにかく黄色い声援がスゴイんです! 大きな絵画からバンドメンバーが出てくる仕様のステージセットもインパクト大。こんなに凝ったセットを毎週いくつも作っているってことですよね…、スゴイなあ。あと、徳光さんの「みんなが通路に出てきて踊らないのが不思議なくらい(カッコいい曲)ですね」というさりげないコメントにも抜群のセンスを感じます。

そして最大のハイライトは、沢田研二さんの登場です! 特別出演として当時の新曲「女神」を披露。中性的で耽美な世界を得意とするジュリーのパフォーマンスのクオリティーが最高潮に達しています。ええっ、これ見ていいのかな、ドキドキ…みたいな気持ちに(笑)。まさしくプロによる最高のエンターテインメントです。

よく考えたら、ジュリーも最初はバンドでデビューしたんですよね。ザ・タイガースで大ヒットを飛ばし、その活躍が後のバンドブームへとつながっている…ともいえます。つまり、ジュリーの存在なくしてこのバンドたちが誕生することはなかったのかも!? 飛ぶ鳥を落とす勢いのバンドマンとその創造主ともいえる(?)ジュリーが並んだことで、日本の音楽界の歴史を振り返ることができ、大変興味深い放送回でした。

【番組情報】

「歌のトップテン」【沢田研二・チェッカーズ出演回】#286(1986年OA)
ホームドラマチャンネル
5月21日 午後6:00~7:00

ホームドラマチャンネル 公式サイト:https://www.homedrama-ch.com/

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町あかり

シンガー・ソングライター。2010年から活動を始め、作詞・作曲、編曲、執筆、イラストや衣装制作まで自身で行う。19年には、ビクターエンタテインメントからメジャー5thアルバム「あかりおねえさんのニコニコ♡へんなうた」をリリース。20年10月に、日本コロムビアから初のカバーアルバム「それゆけ!電撃流行歌」を発売。ほか、アーティストへの楽曲提供も行う。映画「男はつらいよ」と昭和歌謡曲、そして文鳥を愛する。

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