「買い物弱者」を地域で支援 佐世保・野中町 有志や施設が連携し実現

お買い物サロンの利用者(中央)を迎え入れる支援者=佐世保市吉岡町

 長崎県佐世保市野中町で、町民有志や町内のグループホームなどが連携し、高齢者ら「買い物弱者」を支援する「お買い物サロン」が発足した。住民同士で支え合い、安心して暮らせる環境を目指す。月1回のペースで実施する予定。
 同町の民生委員らによると、町内の3~4割が65歳以上の高齢者。坂道が多く、住民の間で、買い物やごみ出しに困っている人への支援方法を模索していた。今年に入って、町内のグループホーム「メロディ」から自宅と店舗を行き来する送迎に携われるとの提案があり、今回の取り組みが実現した。
 11日には1回目の活動があり、民生委員やボランティアの住民ら支援者約10人とサロンの利用者4人が参加。支援者が同乗した「メロディ」の車2台は、利用者を順に、自宅と同市吉岡町のエレナ吉岡店とに送迎した。
 羽辺恭子さん(86)は支援者2人に見守られながら、同店で8千円分の食料を購入。支援者は「買い忘れはないですか」などと声を掛けたり、羽辺さんの購入品を袋に詰めて車に乗せたりしていた。
 1人暮らしの古賀歌子さん(82)は豚肉やアイスクリームなどを買った。古賀さんは「普段は友人の車やバスなどで買い物に行っているので、助かった。今日の買い物を楽しみにしていた」と喜んだ。
 今後は、買い物の前後に交流を図る場をつくる考え。「メロディ」を運営する「オールブルー」の坂田健吾代表取締役は「地域の人に喜んでもらえるのであれば、やりがいがある。今後も地域に貢献したい」、同サロン代表の谷川義盛さん(75)は「地域の人が地域を支える。他の町でも広がるきっかけになれば」とそれぞれ話した。

買い物をする羽辺さん(右)を見守る支援員2人=佐世保市吉岡町、エレナ吉岡店

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