今年最も期待されるオリヴィア・ロドリゴ、デビューアルバムへの期待とポップパンクな新曲

Photo Courtesy of Geffen Records

デビュー・アルバム『SOUR』の発売まであと1週間となった2021年5月14日、オリヴィア・ロドリゴ(Olivia Rodrigo)は、アルバムからの3曲目の先行シングルとして、ポップ・パンク・サウンドの新曲「good 4 u」を公開した。

楽曲とあわせて、ペトラ・コリンズ監督によるミュージックビデオも公開。このビデオは、1990年代後半から2000年代前半にかけてのホラー映画やダークコメディ映画などのカルト作品を彷彿とさせる内容となっている。

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ビデオの中で、オリヴィアはどんどん過激な行動をとっていく。チアリーダー仲間の肩を叩いたことから始まり、ポテトチップスとガソリンを買いにいき、後に放火を試みるようになってしまう。ビデオの最後には、赤い目をしたオリヴィアが暗い湖に落ちていく。しかし彼女の目の色は、泣き疲れた後というよりは、憑依されたような色となっているのだ。

「good 4 u」の感情を揺さぶるポップ・パンクのサウンドは、ヘイリー・ウィリアムスが率いるバンド、パラモアの初期の楽曲を彷彿とさせ、現在ポップ・ミュージックに浸透しつつあるポップ・パンク・リバイバルの流れに当てはまっている。

最初の2枚のシングル「drivers license」と「deja vu」でわかるように、オリヴィア・ロドリゴはきれいなブリッジを作るのが得意なシンガーソングライターだ。「good 4 u」での静かなブリッジでは、「Maybe I’m too emotional / 私が感情に振り回されすぎてるのかも」と自分が感情的になりすぎているのではないかと疑問を投げかけ、元パートナーが新しい彼女がすぐにできてうまくいっているように見えるのに、なぜ自分は別れて引き裂かれてしまったのかを説明する。このテーマはデビュー・アルバム『SOUR』全体に共通しているが、ロドリゴは失恋とその様々な段階を情熱的に表現しているため、停滞感は感じられない。

米ビルボードとのインタビューで、オリヴィアは『SOUR』での作曲について次のように語っている。

「私は実際に起こったことから書き始めるソングライター。正直なところ、愛や幸せっていうのは、曲を書いていた時に感じていたものではなかったんです。みんなに伝えるべき重要なことを私が感じていないのであれば、レコードを出す意味なんてないから」

オリヴィアは「drivers license」「deja vu」「good 4 u」の3曲を世に送り出しただけで、この感情の表現を通じて、リスナーとの間に一貫した信頼の絆を築いている。「drivers license」で初めての失恋のメロドラマ的な痛みを表現したところ、リスナーはそれに応えるかのように、この曲が歴史的なストリーミングの再生記録を達成した。わずか数ヶ月の間に、この楽曲はアメリカだけで300万枚相当の売り上げと記録、全米シングルチャートでは8週間にわたって1位を獲得し、2021年にリリースされた曲の中で初めて全世界でのストリーミング回数が10億回を突破した。

間に作り上げた記憶との間に類似性を描き、自分が最初に彼に話したジョークを、彼がさも自分で考えたように披露する彼を非難する。このシングルは、全米シングルチャートTOP5にランクインし、彼女は同チャートの歴史上、最初の2枚のシングルがトップ5にランクインした初めてのアーティストとなった。

多様なサウンドを持つ3枚のシングルを、まだ色あせていない生のソングライティングでまとめ上げたデビュー・アルバム『SOUR』は、ポップ・ミュージックの歴史的な瞬間として傑出した存在になりそうだ。今週の土曜日、ロドリゴはサタデー・ナイト・ライブに出演し、「good 4 u」のパフォーマンスを披露する予定だ。

Written By Larisha Paul

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オリヴィア・ロドリゴ『SOUR』
2021年5月21日発売

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