【ほけんの窓口レディース】大里桃子がイップス克服し3年ぶり2勝目!苦悩のきっかけは「プロアマ」

大里桃子

36ホール競技に短縮された国内女子ゴルフの「ほけんの窓口レディース」最終日(16日、福岡・福岡CC和白C=パー72)、大里桃子(22=伊藤園)が通算9アンダーで並んだ、ささきしょうこ(24=日本触媒)とのプレーオフを3ホール目で制し、3年ぶりのツアー2勝目を飾った。

前回の優勝は2018年8月の「CATレディース」。プロテスト合格からわずか23日の史上最速V以降、大里に待っていたのは「小学生でも入るような30センチも真っすぐ打てない」というイップスとの戦いだった。

違和感を持ったのは同じ年の最終戦「JLPGAツアー選手権リコー杯」で30センチを外した瞬間。その違和感を増幅させたのがトーナメント前日のプロアマだった。

プロアマでよく採用されるのがチーム戦のスクランブル方式。毎ショット、ベストボールを採用し、同じ位置から組の全員で打つ。

「1メートルのパットを先にアマチュアの皆さんが外して、私まで外してしまって、そこから1メートル以下のパットが気持ち悪くなったのが本格的な始まりです」

同じような状況は何度も訪れる。笑って済ませられない生真面目な性格。プロアマでは「私、本当にショートパットが入らないのでよろしくお願いします」と宣言してからスタートするようになった。

その後は改善しても、数か月で再発の繰り返し。今年も春先から苦しんでいたが、1か月前にパターを33インチから36インチと長いものに替えると同時に気持ちをリセット。「今も1メートルが入るとは思っていませんし、入ったら〝お~入った〟という感じです。吹っ切れたというか、外してもいいやと考えるようになりました」。

パッティングの感覚を取り戻してからの直近2試合はいずれも2位。表彰式では涙も見せたが、最後は「3度目の正直ができました」と笑顔が弾けた。

© 株式会社東京スポーツ新聞社