鷹・工藤監督は〝上林の幻弾〟への意見書見送る方針「今のところは…」

1回、ダイヤモンドを1周するも幻のホームランに終わった上林

ソフトバンク・上林誠知外野手(25)の放った大飛球がファウルとなった微妙な判定について、工藤公康監督(58)は日本野球機構(NPB)への意見書提出を見送る考えを示した。

16日の日本ハム戦(札幌ドーム)の初回、上林が右翼ポール上を通過して上段に着弾する大飛球を放った。フェアゾーンへの着弾を確信した上林は、ファウル判定にも右人さし指を回しながらアピールしてダイヤモンドを1周。直後に一塁塁審が審判団を集めてリプレー検証を実施。約3分の審議が行われたが、判定は変わらなかった。カウント0―2から再開され、上林は3球目のフォークに手を出して空振り三振に倒れた。

試合後、工藤監督は問題のシーンについて「分かりません。僕らが判断することではありませんので。審判の方が判断したのなら、そうかもしれませんし…」と冷静に受け止める一方で「見てると…(入っているかもしれない)というのはあります」と上林に気遣いも見せた。

NPBへの意見書提出については、現場の最高責任者として「今のところは…。今のところは…」と見送る方針を示し「そう(本塁打と)思うなら『また打て!』とハッパを掛けたいと思います」と、上林に切り換えを促した。

今回はホークス側からのリクエストを受けてのリプレー検証の採用ではなく、審判が自らリプレー検証したケース。その上で再度ジャッジした結果の「ファウル判定」だった。〝幻〟という結果になった上林本人の落胆も大きいはず。球団は映像を独自にチェックする考えもある。しっかりとしたジャッジを求める可能性も残されている。

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