有村架純が保護司役 「前科者」映画&ドラマ化 監督は「あゝ、荒野」の岸善幸

「ビッグコミックオリジナル」で連載中の漫画「前科者」が、映画とドラマで実写映像化され、有村架純が主演することが明らかになった。映画は2022年に劇場公開、ドラマは2021年秋にWOWOWで放送・配信される。

原作漫画「前科者」は、テレビドラマ「監察医 朝顔」の原作や「クヒオ大佐」「羊の木」など映画の脚本も手掛ける香川まさひとが、罪を犯した「前科者」たちの更生・社会復帰を目指し、奮闘していく保護司の姿を描いた作品。有村架純が演じるのは、主人公の保護司である阿川佳代。コンビニでアルバイトをしながら保護司の仕事に就く真っ直ぐな女性を演じる。有村は、「キャストスタッフの皆さんとひとつひとつ大切に紡いだ日々に私の心は毎日震えていました。これから先も、ここで得られたことは忘れません。」と今回の役柄に全力で向き合ったことを語っている。

監督を務めるのは、報知映画賞、日刊スポーツ映画大賞、ブルーリボン賞などの作品賞を受賞し、第41回日本アカデミー賞で菅田将暉が最優秀主演男優賞を受賞した、「あゝ、荒野」を手掛けた岸善幸。岸は脚本も務めている。

劇場公開に先駆けてWOWOW放送・配信されるドラマでは、新人保護司の阿川佳代がさまざまな「前科者」と向き合い、成長する姿を描く職業ドラマとなっている。映画は佳代が保護司として現在進行形の凶悪犯罪と向き合う、完全オリジナルの社会サスペンスとして制作される。また、ドラマの放送後にはAmazon Prime Videoでの見逃し配信も予定されている。

【コメント】

■有村架純コメント
この作品のお話をいただいた時「保護司」がボランティアであることを初めて知りました。
前科のある人間の更生を手助けする。それって一体どういうことだろう。この作品を世にお届けすることで、様々な視点が変わるかもしれない、キャストスタッフの皆さんとこの世界に飛び込んでみたい、そういった思いを抱きました。
私が演じる主人公は、保護司ではあるけれど複雑な思いを抱えながら存在意義を探している女性。その要素を内包しつつ正義のヒーローにならないよう心がけ、距離感などは監督とその都度話し合いながら慎重に撮影を進めていきました。
キャストスタッフの皆さんとひとつひとつ大切に紡いだ日々に私の心は毎日震えていました。これから先も、ここで得られたことは忘れません。
ドラマ版から数年後の世界が、映画版となっています。2作品とも違う味わいの作品だと思いますので、両方ともご覧になっていただけると幸せです。
この作品は色んな視点から考えられる作品なので、フラットな気持ちでご覧になっていただき皆様と一緒に考えていければと思います。そして「保護司」というボランティア活動があることを知って欲しいです。
正直、まだこの作品について言葉にするのは難しくて。ですが、どこかの誰かの日常に、一筋の光が差し込んでくれる物語であることを願っています。

■岸善幸監督コメント
原作の香川まさひとさんは、私が大好きな映画『クヒオ大佐』や『羊の木』(吉田大八監督)の脚本を手がけた方です。シニカルで、悲しくて、深い余韻を与えてくれる作品を生み出してきた香川さんの思いを想像しながら、映像化にあたっては、罪を犯す人たちが置かれた“いま”を捉えたいと考えました。
重要だったのは主人公 阿川佳代のキャラクターでした。作画の月島冬二さんが描くメガネの佳代の生真面目さや芯の強さを大切に、有村架純さんと何度も話し合い、映像化ならではのキャラクターが生み出せたと自負しています。メガネの奥で輝いたり、曇ったり、怒ったり、涙に濡れる架純さんの瞳。全身で絶叫し、格闘する架純さんの姿にご注目ください。

【作品情報】
前科者
▼映画版
2022年公開
配給:日活・WOWOW
▼ドラマ版
2021年秋WOWOWにて放送・配信

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