有森裕子氏が岡山県の聖火リレーを辞退 感染拡大の東京から帰郷を避ける判断

岡山県で19、20日に予定されている東京五輪の聖火リレーで、マラソン女子の五輪2大会連続メダリスト・有森裕子氏(54)が参加を辞退したことが17日に同県から明らかにされた。

岡山県によると、有森氏から辞退の申し出があったのは12日。東京都内在住の有森氏は当時、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が都で延長され、まん延防止等重点措置が同県に適用されるとの報道を受け、感染拡大の地から岡山に入るのは避けるべきと判断したという。

同県はまん延防止等重点措置の適用が検討されていたが、16日から緊急事態宣言の対象となっている。聖火リレーについては、ランナーが走らずに互いのトーチを近づけて聖火を受け渡す「トーチキス」を行うことが17日に発表された。

有森氏は同県出身。聖火リレーでは当初、19日に岡山市役所構内の駐車場を走り、巨人軍などで活躍した元プロ野球選手の川相昌弘氏に聖火をつなげる予定だった。

ランナー参加については、両親が東京五輪開催年の1964年に結婚したほか、岡山出身で28年アムステルダム五輪の陸上女子800メートルで日本女子初の五輪メダルとなる2位の快挙を遂げた人見絹枝と同じ8月2日(日本時間)、自身が92年バルセロナ五輪で日本女子選手として初めて五輪マラソンでメダル(銀メダル)を獲得した縁を挙げ「このオリンピックとのつながりを大切に、未来に聖火をつなげたいと思います」との思いから希望していた。

岡山出身者では、体操男子のロサンゼルス五輪金メダリストの森末慎二氏、バンクーバー五輪で銀メダルに輝いたフィギュアスケートの高橋大輔も聖火リレー走者に名前を連ねている。

© 株式会社東京スポーツ新聞社