伊原木知事が中継で番組生出演 緊急事態宣言下の岡山県「一人ひとりの行動が未来を決める」

緊急事態宣言の対象になった岡山県。伊原木隆太知事が夕方のニュース番組『ニュースパークKSB』に岡山県庁から生中継で出演し、現在の感染状況や、病床の確保、ワクチン接種などについて、キャスターからの質問に答えました。

(Q.こちらは1週間ごとの感染者数の推移です。4月以降ぐーっと上がっています。知事は、このグラフを見てどう思われますか?)

大変恐ろしい状況になっています。4月に入ってから週ごとに倍、倍、5割増し、4割増し、5割増し、6割増しで来ています。このグラフではちょっと下がっているように見えますが。これ一日足りていないんです。まだまだ天井に達していない。大変危険な状態です。

(Q.13日連続で1日の感染者が100人を超えています。特徴などはありますか?)

もともと岡山市中心。それから岡山市・倉敷市だったんですが、今全県に広がっていますし、20代中心だったものが高齢者にも感染が広がっています。若い人も重症化していますし、非常に危険な状態がこの数週間続いています。

(Q.2020年春の緊急事態宣言のときはどちらかといえば高齢者に注意を呼び掛けていた印象がありましたが、今はもう20代30代がすごく増えているという印象があります)

そうですね。高齢者にとっては依然として厳しい病気ですが、変異株は若い人でも重症化しますし、後遺症も怖い病気なんです。とにかく、かかってはいけない病気です。

(Q.またきょうまで20日間連続で死者が出ています。岡山市では基礎疾患のある人が自宅療養中に亡くなったケースもあります。岡山県の医療体制はどのような状況でしょうか。)

大丈夫ではありません。死者が出ている。本当に悔しいことなんですが、この状態が続けば、今、兵庫県、大阪府で起きているような1日に30人40人死者が出る。基礎疾患がない、本当は死ぬはずがない方が、毎日死んでいくというこになりかねない。もうぎりぎりのとこに来ていると思っています。

(Q.病床の確保はできている?)

いろいろ今手配をしているところなんですが、1割2割増える可能性はあっても、倍、3倍には増やせまん。今このペースで伸びている患者のことを考えると、とにかく今から、すぐにでも感染者数を減らさなければ、もうどうやったって間に合いません。抑えるということが一番大事です。

18日、伊原木知事がオンライン会議で県内6つの経済団体に協力要請

(Q.知事、経済団体へのテレワークの協力を知事はどんな思いで要請されましたか)

岡山県では働いている人が多いわけであります。それぞれの会社がどれだけテレワークに本気で取り組んでくれるか。また、体調が悪い人が休むことを許容してくれるかで今後の展開が大きく違ってくるということで、岡山県の経済会のトップリーダーの方々に私から直接お願いをした。

18日、伊原木知事がオンライン会議で県内6つの経済団体に協力要請

(Q.今の状況が続くと今後の資金繰りが苦しいという切実な声もありました。経済も心配ですね)

おっしゃる通りです。国も県もいろいろな支援メニュー取り揃えているわけでありますが、逆にこの状況が続けば続くほど、それぞれの会社がどんどん厳しくなっていく。経済を回すためにも5月は徹底的に抑えてほしいということをお願いしたところです。

(Q.緊急事態宣言の期限は5月31日までとなっていますが、知事はあと2週間で解除できる状況になると思われますか?)

解除の判断をするのは国ですけれども、とにかく我々はできることをしなければいけません。岡山市中心部で時短を始めたのは5月3日ですから、5月末までに1か月あるわけなんです。我々が本気で取り組めば、必ず成果が結果になって現れてきます。この5月が正念場だと思っています。

(Q.岡山県が国に「まん延防止」の適用を要請した時点でもかなり感染が広がっている状況だった。対応が後手に回っているという指摘もあるが、そのあたりはどう感じるか)

こういう結果になったわけですから、いろんなことが後手になったんです。ただ、まん延防止については、我々がお願いをしだした時から、実際に要望をしたと認めていただくまでにずいぶんかかりまして。本当はもっと機動的に出させてもらうべきものが、そうでなかったのはちょっと残念に思っています。

岡山県では、17日から一般の高齢者に向けた新型コロナワクチンの接種が始まった

(Q.17日に一般高齢者へのワクチン接種が始まりました。国は7月末までの接種完了を掲げていますが岡山県は達成できるんでしょうか)

実際にまだワクチンが具体的にいつ来るのかわからない状態で7月中に打てると確約するのが難しいという声も聞いています。ただ、とにかく早く打つということがとてつもなく大事ですので、それぞれの市町村にはもう頑張っていただきますし、県としても全力で応援をしていくつもりです。

(Q.医療従事者への接種も終わっていない。他県では特例で歯科医師が打っている。ワクチンを打つ側になっているというような情報もありますが岡山県の状況というのはどうなんでしょう)

岡山県の場合、特に高齢者についてはリスクの高い、施設にいる高齢者から順次打っていった。とにかくあらゆるリソースを使ってワクチン接種を1日でも早く終えたいと思っています。

(Q.各自治体のトップがワクチンを打っているといった報道が最近ありますが、この点に関しては知事はどのようにお考えになりますか)

ワクチンでやってはいけないのは余らせてしまう、捨ててしまうということなんです。先日県内のすべての首長とweb会議したときに、とにかく余った時のリストはあらかじめ作っておいてほしい、その中に保健師さんだったりいろんな人が入るわけですけども役所の職員がいても全然かまわないし、首長がそのリストに入っていても全然おかしくない。打ってもおかしくない。とにかく無駄にするのはやめてほしいということをお願いしました。

(最後に県民へのメッセージをお願いします。)

緊急事態宣言が出ました。宣言で自動的に(感染者数が)下がるわけではありません。岡山県は一刻も早く下げなければ大変なことになります。

外出はできるだけやめてください。また、会食はやめてください。しゃべる時には絶対にマスクをつけるようにしてください。

みなさんおひとりおひとりの行動が、岡山県の未来を決めることになります。ぜひともご協力よろしくお願いします。

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