海自潜水艦 初の女性幹部乗組員誕生 2等海尉・竹之内さん 「女性だから」気にせず努力

潜水艦で初の女性幹部乗組員となった竹之内さん=佐世保市、海自倉島岸壁

 海上自衛隊の潜水艦に、初の女性幹部乗組員が誕生した。2等海尉の竹之内里咲さん(27)。部隊実習を終え18日、呉基地(広島県)を母港とする練習潜水艦「みちしお」の幹部としてスタートを切った。
 竹之内さんは北海道出身で大学卒業後、2017年に入隊。潜水艦乗組員としての適性を評価され「チャレンジしてみよう」と考えたという。専修科潜水艦課程で船体構造や武器の概要、指揮官としての職務などを習得した後、昨年6月から「みちしお」で部隊実習に取り組んでいた。
 海自佐世保地方総監部によると以前は、直接戦闘や肉体的負担の大きい職域などには女性を配置していなかった。しかし任務の幅が広がり、多様な人材が必要となってきたため徐々に配置制限を緩和。海自は18年に制限を全て解除した。艦内ではプライバシーを確保する女性区画を整備しており、昨年10月には女性初の潜水艦乗組員が誕生している。
 海自倉島岸壁(佐世保市干尽町)で18日、竹之内さんに潜水艦に関する業務を行う証しである徽章(きしょう)「ドルフィンマーク」が授与された。竹之内さんは「まずは目の前の仕事をこなせるよう努力する」とコメント。その上で「『女性だから』ということを気にせず取り組むことで、男女両方にとって働きやすい環境になると思う。後進のためにも、他の乗組員と協力し働きやすい職場をつくっていきたい」と抱負を語った。

 


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