新規開拓へオンライン活用 新和メッキ工業 工程など動画で発信へ

 新型コロナウイルスの感染拡大で全国規模の展示会や商談会が中止・延期となる中、製造業ではホームページやSNSをプラットホームにした販路開拓が注目されている。上越市土橋の新和メッキ工業は、工程や工場を紹介する動画を制作、新規取引先の開拓に役立てる考えだ。

工場見学動画の一部。現在は公開範囲を限定しているが、今後ホームページで公開することも検討中

 動画は約16分。同社の亜鉛めっき、亜鉛ニッケルめっきの工程をはじめ、全従業員の強みを可視化した「ストレングスファインダー」の導入などを紹介している。制作は社内にある機器を用いて瀧見直晃社長はじめ自社スタッフで行い、制作費はゼロ。更新も容易なため自社で売り出したいコンテンツを自在に盛り込むことができる。また動画を制作しておくことで「多忙のため対応できない」といった事案がなくなる。

 動画は12日に行われた、首都圏近郊のめっき業者のオンライン勉強会で初公開。展示会の中止などで動画に関心を持つ同業者が多く、撮影の手法やオンラインツールに関する今後の展望など、質問が多く出た。参加した東京都内のめっき業者の経営者は「展示会は出した金額の多寡でスペースが決まるが、ウェブなら制作費の多寡にかかわらず表示される画面のサイズは一緒。中小企業にとっては、当然ウェブがいい」といった意見が出た。

 瀧見社長は「初対面の取引先に対して〝名刺代わり〟になる。こうしたものにすぐ着手できるのが、中小企業のフットワークの良さ。オンラインに習熟した学生・生徒の採用活動でも役に立てばいい」と話した。

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