「不公平だ」 時短要請応じない店は繁盛…協力店から不満の声

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 沖縄県内の飲食店に対する酒類提供の終日停止要請が取り沙汰された。今回は見送られる方向だが、感染症対策が不十分な店舗に対する指導強化の狙いが背景にある。酒類提供に新たな制限措置が出されることになれば時短に応じて対策を徹底してきた居酒屋などの飲食店には屋上屋を架すような措置となる。飲食店関係者からは「不公平だ」と不満が漏れている。

 県や感染症対策専門家の間で「対策なし」と、問題視されている飲食店街が那覇市内にある。17日夜も利用者でにぎわっていた。座席の間隔が狭く、アクリル板の設置もない。午後9時を過ぎても賑わいは続いた。

 県の担当者はこの店舗について「何度も要請しているが、応じてもらえない」と明かす。先週末に店舗を訪れて文書で是正を要請した際、店の感染症対策がほとんど取られていないため、職員は医療用のガウン、高性能のN95マスクを着用したという。この店舗の他にも要請に応じない店舗が複数あり「生活が苦しい」と応じない店もあるという。

 通常営業の店が売り上げを伸ばす中、時短営業に協力する店舗の不満が高まっている。那覇市内のある居酒屋は約100万円をかけて非接触の検温・消毒機やオゾン発生器などを設置。酒類提供は午後7時、営業は午後8時までと要請に応じている。コロナ以前は1日約20人いた客は4~5人にまで減った。

 時短の協力金はまだ振り込まれず、預金を切り崩して我慢してきた。売り上げの柱である酒の提供停止案浮上に、40代の店主は「(要請順守を)続けられる状況ではなくなってきた」と吐露。「要請を無視する店は緊急事態宣言が出ても変わらず営業すると思う」と憤る。

 要請に応じない飲食店街を念頭に医療関係者は「夜9時以降もにぎわっているのを見ると、(提供停止の新たな要請も)受け入れられないだろうと感じる」と述べた。

 (名嘉一心、稲福政俊)