「何とか開いてあげたい」 コロナ禍での運動会 思い出づくりへ学校腐心

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2年ぶりの体育大会。生徒たちは元気よく入場行進した=14日、長与中

 新型コロナウイルス感染「第4波」は長崎県内小中学校の春の行事を直撃した。運動会や修学旅行を延期する学校が目立つ一方、時間短縮や無観客にしてでも開催にこぎ着けるケースも。「何とか開いてあげたい」。早い梅雨入りも重なる中、各校は感染対策を徹底し、子どもたちの思い出をつくろうと腐心している。
 12日、西彼長与町立長与中の職員室。金崎良一校長らは天気予報の画面とにらめっこをしていた。体育大会当日の16日も、順延する場合の18日も「雨」。急きょ14日の前倒し開催を決めた。
 隣接する長崎市を中心に感染拡大が続く時期。「『こんな時になぜ』と批判を受けるかもしれない。でも昨年中止してできなかった分、子どもたちに体験させてあげたかった」。金崎校長は悩んだ末の決断だったと明かす。
 無観客でプログラムも従来と異なる。「今しかない、今できることに感謝し一生懸命取り組もう」。開会式でそう呼び掛けた生徒会長の浅海匡佑さん(14)は取材に「3年生として、どうしても開催したかった。一生懸命準備してくれた先生方に感謝してます」とすがすがしい表情を見せた。
 平戸市立田平北小は16日、降雨のため体育館で開催。密を回避するため、児童は自分の出番でない時は教室で待った。空間も応援も限られ「伸び伸び」とはならなかったが、保護者の一人は「私たちが運営を手伝うこともできず、先生たちの苦労のおかげ」とねぎらった。
 長崎新聞社が県内21市町に取材したところ、現時点で運動会や修学旅行の中止を決めた公立小中学校はなかった。
 運動会の開催は基本的に各校の判断だ。長崎市教委は感染急拡大を受け、市立学校(小学校68、中学校37)に対し「6月以降に延期」「5月開催なら無観客」とするよう通知を出した。市教委によると、大半は6月以降に延期した。
 今週末にも佐世保市など各地で予定されている。諫早市の大規模校は学年別に時間帯をずらして開催。島原市の学校は時間短縮を理由にダンスなど表現のプログラムを取りやめる。西海市の11小学校は、いずれも昨年と同じく午前のみとする。「今後も昼食をまたがない運動会が主流になるのでは」と同市教委はみる。
 東彼川棚、東彼杵両町立の小学校は昨年、春から秋に移したため、今年も踏襲する方針。
 五島市内では今月に入り市民ら20人の感染が発表され、運動会を5月に予定していた市立8小学校のうち5校が6月以降に延期を余儀なくされた。修学旅行も春に計画していた学校のほとんどが先送りした。
 修学旅行の行き先を巡っては、昨年に続き県内または九州内が主流になるとみられる。雲仙市教委は「全県的に県内実施を計画している学校が多いようだ。既に宿泊施設が埋まり、探すのに苦労している学校もある」とした。