【東京五輪】英広告業界メディアがスポンサーの現状を詳説「パリ五輪視野に財源整理する可能性」

広告業界も東京五輪に難しい対応を迫られている

英国の広告業界メディア「キャンペーン」が、新型コロナ禍の深刻化により中止への機運が高まる東京五輪のスポンサー企業の実情を分析した。

同メディアは「東京五輪まで80日を切ったが、新型コロナのパンデミックの不確実性により、スポンサー業界はスタンバイモードになっている。通常は参加アスリートの期待と興奮を捉え、多数のスポンサーが五輪キャンペーンを開始するが今回はない」。スポンサー企業は本来ならば大々的に五輪を前面に押し出した宣伝やイベントを行うが、開催中止を求める世論の現状も踏まえて思うように五輪キャンペーンを実行できていない窮状を指摘した。

また、今後キャンペーンを再開するにも難しさがある。「製品の発売など五輪をテーマにしたCMを撮影した企業は、五輪延期後に公開するかどうかというジレンマに直面している。そのCMの放映を差し控えると、製品は時代遅れになる。また新型コロナ禍において、以前に計画されたCMが適切でないと感じる人もいるだろう。キャンペーンに登場するはずだった一部のアスリートは出場資格を失ったり、コンテンツが古くなり使用できなくなる」と対応は難しく、追加費用もかさむなど多くの問題が発生してしまう。

そのため「一部のスポンサー企業は、投資を完全にシフトしています。国際オリンピック委員会(IOC)のパートナーのいくつかは、2024年のパリ五輪を視野に入れて、財源を再び整理する可能性がある」と東京五輪に関するキャンペーンを諦め、次回の五輪に向けた動きを見せる企業もあるという。

こうした点を踏まえて同メディアは「五輪の機会を活用するには、スポンサー企業やアスリートが柔軟性を発揮する能力がこれまで以上に重要になり、より努力する必要がある」。開催中止の機運が高まる中で、莫大な金額を拠出しているスポンサー企業も難しい対応を迫られているようだ。

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