持病がある人の保険の選び方、必要のない人も?無駄にならない上手な入り方とは

夜はきちんと眠れていますか?不眠で悩んでいる人はとても多いです。

日本人成人の21.7%が慢性的な不眠で悩んでいます。5人に1人は睡眠が十分に取れていない、まさに不眠は国民病といっていいでしょう。睡眠障害のため病院で薬を処方している人も多いのです。

また、不眠以外にも、30代、40代と年齢が若くてもコレステロール値が高く、医者から処方されている薬を服用しているとか、何らかの持病を持っている人もたくさんいますよね。

生命保険に加入するときには、告知とか診査が必要になってきます。そのときに薬を処方されていると保険の契約ができない可能性があります。もし、正しく告知をしていないと告知義務違反で、契約が無効になってしまうこともあります。

今回は、持病を持っている人でも加入できる引受基準緩和型の保険について解説します。


引受基準緩和型医療保険は優先度の低い保険

持病があっても入れる保険を「引受基準緩和型(限定告知型)」の保険といいます。この保険は、告知項目が3~4つぐらいで入りやすい保険になっています。引受基準緩和型の保険の主流は「医療保険」ですが、「終身保険」「定期保険」「収入保障保険」などの死亡保障の商品もあります。

この数年、とくに引受基準緩和型医療保険は、商品の改定が進んで、保障がとても良くなり、保険料も下がってきました。保障が良くなったというのは、たとえば以前は契約して1年間の保障は50%に抑えられる制限がついていました。ところが、その制限をなくした保険商品が多く登場してきたのです。

また保障内容についても、通常の医療保険とほぼ同程度の保障になっています。保険料も改定されてますが、それでも通常の医療保険より保険料は高いです。これは仕方がありません。通常よりも保険金の支払いの可能性が高いので、その分、保険料も高くなります。

しかし、そもそも医療保険は、健康保険があり高額療養費制度もあるので、治療費の負担額自体はそれほど多くはありません。つまり、ある程度の余裕資金がある人にとっては、優先度の低い保険です。ですので、引受基準緩和型医療保険は、さらに優先度の低い保険と言えます。

とくに持病がない人で余裕資金がある人は、引受基準緩和型医療保険に入る選択はあまり考えなくてもいいでしょう。

持病のある人でも死亡保険は必要な保険

次に、引受基準緩和型の死亡保障を考えてみましょう。

死亡は、病気になる確率よりももっと低くなりますが、もしも死亡したときの経済的損失は、非常に大きくなります。

たとえば、子どもがいる家庭では、夫または妻が亡くなったとき、残された家族は大変です。子どもの教育費などを考えると約3,000万円のお金が必要になってきます。これをひとりで用意するのは難しいと思います。

その場合は、はやり生命保険が役に立ちます。持病があり保険に入るのが難しくても備える必要があります。そんなときには、引受基準緩和型の死亡保障が役に立ちます。

定期保険・収入保障保険を中心に考える

引受基準緩和型保険の死亡保障には、終身保険、定期保険、収入保障保険などが発売されています。

しかし、どうしても通常の保険より保険料は高くなります。そこで、子どもが独立するまでの期間、年金を受け取るまでの期間というように、一定期間の保障が選択できる定期保険または収入保障保険を選べば保険料を抑えることができます。

ただし、引受基準緩和型の定期保険、収入保障保険を発売している保険会社は数が多くありませんので、その中で選ぶことになります。それらを扱っている保険会社には、FWD富士生命、オリックス生命、アクサダイレクト生命、楽天生命などがあります。

経済的弱者のための引受基準緩和型医療保険

先ほど、引受基準緩和型医療保険は優先度が低いと述べましたが、それはあくまで余裕資金がある程度ある人にとってです。

余裕資金がない人の場合には、入院などで生活が困窮することも考えられます。それが予測される方には、医療保険が必要になってきます。そして余裕資金ができたところで、保険を解約してしまえばいいのです。

とは言っても、引受基準緩和型医療保険の3つの告知項目に、該当してしまったら加入できないこともあります。その場合でも、コープ共済の引受基準緩和型医療保険があります。掛金は月額1,000円と安いです。その分、入院日額2,000円と保障も小さいので、役に立つかと言われると難しいのですが、経済的弱者の人だった場合には、困窮してしまうのを少しでも先延ばしすることができるのではと思います。その間に生活の立て直しを計ることができます。

引受基準緩和型保険の賢い使い方

引受基準緩和型の保険は、健康弱者にとっては必要な保険になることがあります。

しかし、引受基準緩和型の保険の最大のデメリットは保険料が高いこと。ですので、ずっと保険に入るという使い方ではなく、大きな保障が必要な一定期間だけ、または、経済的な備えができるまでの期間だけというように、短期で考えてください。野球でいうリリーフのような使い方をするのが、この保険の賢い利用のしかたです。

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