三つ子がチームけん引 新上五島・魚目中軟式野球部 30日に町中総体 両親もエール

三つ子の兄弟の(左から)遊撃手の田村光陽さん、捕手の友誠さん、投手の匠登さん=新上五島町、有川運動公園野球場

 長崎県の新上五島町立魚目中学校(江口和義校長、73人)軟式野球部(部員20人)で、3年生の三つ子の兄弟がチームを引っ張っている。ポジションは投手、捕手、遊撃手。30日に開かれる同町中学総合体育大会を控え、練習に余念がない。

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 同町丸尾郷の田村孝文さん(49)、要子さん(49)夫妻の長男光陽(こうよう)さん=遊撃手=、次男友誠(ゆうせい)さん=捕手=、三男匠登(たくと)さん=投手=。いずれも3年生、14歳。攻守ともに優れたチームの要で、友誠さんはキャプテンを務める。
 母要子さんが、おなかに3人の命を宿していると分かったのは、長女華鈴(かりん)さん(19)が4歳の時、突然「おなかに赤ちゃんがたくさんいるよ」と言ったのがきっかけ。検査を受け、一卵性の三つ子を授かったことを知った。
 父親の孝文さんは「(3人の)体が強くなるように」と、小学1年になると陸上を、3年からはソフトボールを始めさせた。江口校長は当時、地区の子どもたちにソフトボールを指導していて、3人もその中にいた。江口校長は「その頃から上手だった。抜きんでた3人に引っ張られるように他の部員も上達し、強いチームになった」と大きな期待を寄せる。
 「絶対にヒットを打つ」「キャプテンとしてチームを引っ張っていく」「優勝までエースとして貢献する」。3人は力強く語る。大会が開かれる30日は3人の15歳の誕生日。両親は「小さかったあの子たちが元気に生きてくれているだけで幸せ。自分たちで自分たちにいい誕生日プレゼントができるように頑張れ」とエールを送る。

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