「阪神の19歳右腕・西純矢は朗希、奥川より上!」伊勢孝夫氏が〝シュート習得〟のススメ

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帽子を飛ばしながら力投した西純矢

【新IDアナライザー 伊勢孝夫】阪神の高卒2年目右腕・西純矢投手(19)が19日のヤクルト戦(甲子園)にプロ初先発初登板し5回無安打無失点。味方打線の援護にも恵まれ、うれしい初白星をマークした。本紙評論家の伊勢孝夫氏も村上、山田らを擁する強力ヤクルト打線を無失点に封じた19歳を高く評価。〝世代ナンバーワン〟投手であるとした上で「あの投手」の「あの球種」を習得すれば、より面白い存在になれると打者目線から提言した――。

初回二死一、二塁のピンチでオスナに対して外角低めいっぱいの直球を投げ切り、見逃し三振を奪ったシーンは実に見事だった。あの局面であの球を投じることができたという一点だけでも、現状の西勇はドラフト同期同学年の佐々木朗希(19=ロッテ)や奥川恭伸(20=ヤクルト)より「上」にいるとみていいだろう。

試合中盤から良化してきたカーブを効果的に使った梅野のリードも良かったと思う。現在のヤクルト打線は非常に状態がいい。彼らを相手に5イニングを投げ無失点に封じた点は大いに評価されるべきだ。フィジカルも出来上がれば常時150キロ前後の直球が投げられるのではないだろうか。初の一軍マウンドで白星をつかみ取れたという意味ではツキもある。いずれにせよ、「勝てる投手」へと成長していくであろう雰囲気を西純は濃密に漂わせている。

高卒で、入団間もなく頭角を現した投手として私がよく覚えているのは、ヤクルト時代の川崎憲次郎だ。彼にはシュートという絶対的な武器があったため、早い時期から一軍で活躍することができた。私は西純もシュートを習得すれば、より面白い存在になれるのではないかとみている。

打者目線からすればシュートというのは実に厄介な球種だ。カウントをとれなかったとしても、右打者の懐をえぐる「見せ球」として投じるだけで、打者は狙いを一気にしぼりにくくなる。最近はシュートを投げる投手が随分と少なくなったが、阪神には当代一のシュートの使い手がいる。西純の遠縁の親戚にも当たる西勇輝だ。これ以上ない手本が身近にいることだし、ぜひ本格的な〝弟子入り〟をすすめたい。

ガンケルの一軍昇格も近いとのことだが、私としては西純を先発ローテの一角として当面は固定して使ってほしい。大崩れしなさそうなタイプだし、今の阪神打線の援護があれば、今後とも白星を積み重ねていくことだろう。

(本紙評論家)