懇親会参加もコロナ感染調査拒否 佐世保市議が会見で陳謝 市長「非常に残念」

 長崎県佐世保市の山下廣大市議が新型コロナウイルス感染者の出席が判明した懇親会の出席者名簿の提出を拒否した問題で、市は19日の定例記者会見で、出席者のうち5人の感染を確認していたと明らかにした。クラスター(感染者集団)の発生が疑われるケースだったが、保健所は十分な情報が得られず、クラスターの有無を調査できなかった。
 関係者によると、懇親会は4月5日に市内で開き、社会人サッカーチームの選手ら約20人が飲食したという。その後、山下市議を含め、出席者の感染が相次いで判明。保健所は山下市議に名簿の作成と提出を求めたが「風評被害が出る」などの理由で協力を拒まれたという。結局、出席者の半数程度が特定できなかった。
 朝長則男市長は会見で、「感染拡大のリスクがあった。議員は公職の身。対応していただけず、非常に残念」と述べた。
 一方、山下市議は19日に記者会見を開き、「責任を痛感している」と陳謝。「(感染が公表されている)私との付き合いがある人への(風評被害の)心配があった。プライバシーを守るべきだと判断した」と釈明。ただ、自らは「選手の1人」とし、最終的にチームの代表者が名簿を提出しないと決定したと主張した。
 山下市議は、市議会会派「自民党市民会議」に所属。21日に保健所を所管する文教厚生委員会委員長に就任する予定だったが、この問題を受けて会派に辞退を申し出た。

 


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