トヨタ RAV4 ハイブリッド vs マツダ CX-5 ディーゼル 燃費対決! ランニングコストはRAV4優性だが、そもそも価格の安いCX-5に軍配があがる結果に

現在、コンパクトSUVが好調な売れ行きを示している。しかし大きな道具を伴うキャンプやマリンレジャーなどを楽しむアクティブなユーザーにとっては、依然としてもう少し大きなサイズのモデルが好まれている。具体的にはトヨタ RAV4やマツダ CX-5などに代表されるミドルクラスのSUVだ。週末に遠出する機会も多いことから、燃費の良し悪しは購入時に重要な要素となる。そこで今回は、ミドルクラスSUVの燃費、中でもハイブリッドとディーゼルの実燃費記録をもとに、それぞれのランニングコストを比べてみた。

トヨタ RAV4 ハイブリッド vs マツダ CX-5 ディーゼル 燃費比較

ハイブリッド勢では2モーター式のトヨタ RAV4が22.6km/Lと小型クラス並みの低燃費を記録

トヨタ RAV4 HYBRID G(4WD)

さっそく、MOTA(モータ)で計測した過去の実燃費データの中から、ミディアムクラスのSUVについて4台の記録を抜粋してみた。

※注:走行可能距離は実燃費とガソリンタンク容量を掛け合わせた計算上の参考数値であり、実際の走行を担保するものではありません。

トヨタの「RAV4」ハイブリッド(4WD)は、実燃費22.6km/Lでダントツのトップ。次いでホンダの「CR-V」ハイブリッド(4WD)が19.7km/Lをマークしている。2台は共に2モーター式のハイブリッドシステムを搭載している。

唯一のディーゼル「マツダ CX-5」も17.1km/Lと善戦! しかも高速燃費だけはRAV4 ハイブリッドを上回る22.3km/Lを記録

マツダ CX-5

いっぽう、国産勢唯一のディーゼルを有するマツダのSUV「CX-5」(FF)も、17.1km/Lと善戦していた。

なお「市街地」「郊外」「高速道路」と3つのモード別でみてみると、ハイブリッドとディーゼルでは燃費に優れるパートが異なることがわかる。RAV4 ハイブリッドは市街地や郊外で燃費に優れているのに対し、CX-5 ディーゼルは高速道路での燃費が目立って良い結果となっているのだ。この違いは覚えておきたい。

ランニングコストはRAV4 ハイブリッドが優性! しかしそもそも新車価格の安いCX-5 ディーゼルのほうがトータルの支出は抑えられる

トヨタ RAV4, マツダ CX-5
トヨタ RAV4, マツダ CX-5

燃費の数値だけで比較すると、2モーター式ハイブリッドのRAV4が有利な結果となった。それでは実際の燃料コストで比較してみるとどうだろうか。

トヨタ RAV4 ハイブリッド(4WD/実燃費22.6km/L)と、マツダ CX-5 ディーゼル(FF/実燃費17.1km/L)の数値をもとに、5年5万キロ乗った場合のランニングコストを調べてみた。

経済産業省 資源エネルギー庁が2021年5月19日に発表した店頭現金小売価格調査データに基づき、レギュラーガソリンは1リッターあたり151.8円、軽油は1リッターあたり132.0円として計算する。

5年5万キロ時点で、RAV4 ハイブリッドの燃料代はCX-5 ディーゼルよりも5万円も低コストで済む

燃料代が安く済むRAV4 ハイブリッド

トヨタ RAV4(ハイブリッド・4WD)の5年5万キロ時の消費燃料は約2212リットル。レギュラーガソリン代は33万5781円かかる計算になった。

対するマツダ CX-5(ディーゼルターボ・FF)の5年5万キロ時の消費燃料は約2924リットル。軽油代は38万5968円かかる。

5年5万キロの時点で、およそ5万円の差が生じている。ランニングコストの面では、トヨタ RAV4 ハイブリッドが、ディーゼルのマツダ CX-5よりも低コストで済むという結果になった。

しかし新車価格で比較するとそもそもRAV4 ハイブリッドはCX-5 ディーゼルに比べ30万円近く高かった

そもそもハイブリッドのRAV4に比べ価格設定が安いCX-5 ディーゼル

ただし、RAV4 ハイブリッド(4WD)の新車価格は359万6000円から402万9000円(2グレード)なのに対し、CX-5 ディーゼル(4WD)の新車価格は、322万8500円から375万1000円(3グレード/特別仕様車を含まず)。

エンジンに加えバッテリーや制御装置、モーターなど、複雑な2モーターハイブリッドシステムを搭載する分、RAV4 ハイブリッドはどうしても高コストになってしまう。

例えば最上級グレード同士なら、CX-5 ディーゼルのほうが27万8000円も安いのだから、ランニングコストの5万円差など軽く吹き飛んでしまうのだった。

実燃費記録からも明白に! ハイブリッドとディーゼルは、ユーザーの使い方により相性の良し悪しが出る

今回はミドルクラスSUVのRAV4 ハイブリッドとCX-5 ディーゼルの実燃費記録をもとに、それぞれのランニングコストなどを比べてみた。

そもそも新車価格の違いがあったため、CX-5のコストパフォーマンスの良さが光る結果となったが、実際にはユーザーの使い方によって考え方も変わってきそうだ。先に記した通り、RAV4 ハイブリッドは市街地や郊外路での燃費が抜群に良い。対するCX-5 ディーゼルは、高速道路での燃費がRAV4とほぼ同等の抜群な数値となっている。燃料代の差を考えれば、長距離ドライブでは圧倒的にディーゼルが低コストとなる。

高速道路を多用し郊外に出かける機会が多いユーザーにはCX-5のディーゼルモデルがオススメ

つまり、毎週末のように高速道路を使って郊外に出かける用途が多いなら、もう断然CX-5 ディーゼルがオススメ。街乗りや郊外路など時速80キロ以下の使用が中心となるなら、RAV4 ハイブリッドとの相性が良い、ということになる。

またこの2台では、ディーゼルのほうが音や振動などの面でやや不利だ。最終的にはディーラーへ足を運び、実際に2台を試乗して比較してみることも重要になってくる。そのうえで自身の使い方も想定し、最終的にディーゼルとハイブリッドでどちらが最適か考えるのが、かしこい選択となるだろう。

[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル]

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