5月としては記録的な大雨 東・西日本は土砂災害や河川の氾濫などに厳重警戒

 

各地の土砂災害、洪水、浸水危険度

 梅雨前線や湿った空気の影響で、西日本や東日本で大雨になっている。  5月としては記録的な雨量になっている所があり、土砂災害や河川の氾濫などの災害の危険度が高くなっている。土砂災害や河川の増水、氾濫、低地の浸水などに厳重な警戒が必要だ。  

 活発な雨雲は東へと進んでおり、この後は東日本を中心に非常に激しい雨となり、大雨になることが予想される。短い時間で大雨になるおそれがあるため、警戒が必要となる。

3時間で100ミリ近くの大雨も 土砂災害などに厳重警戒

降り始めから21日(金)10時までの72時間総降水量

 梅雨前線や湿った空気に伴う活発な雨雲が本州付近を通過している。

 九州や四国では降り始めからの雨量が300ミリを超えた所があるが、大雨のエリアは東へと移ってきている。朝は近畿や東海、甲信に活発な雨雲がかかったことで、愛知県豊田市小原ではたった3時間(午前9時40分まで)で100ミリ近い雨量を観測。長野県木曽郡南木曽町でも85ミリの雨が降り、いずれも5月としては過去もっとも多い雨量となった。

 西日本や東日本では短時間での大雨となっており、土砂災害の危険度がかなり高くなっている。また、大雨で増水し、氾濫のおそれのある河川もあるため、雨が弱まってきても厳重な警戒が必要だ。

自治体からの避難情報にも注意

避難方法の解説イラスト

 危険な場所にいる場合は、指定緊急避難場所など安全な場所に避難することが必要となる。  

 ただ、すでに外出するのが困難であったり、危険な場合は無理して出かけず、自宅の2階以上に垂直避難を行なう、崖や山とは離れた部屋に移動するなど、安全を確保できる方法で避難するようにしてほしい。

新しくなった警戒レベル(出典 内閣府・消防庁)

 また、自治体からの避難情報の運用がきのうから変わっている。

 警戒レベル4の「避難指示」までに必ず避難する必要があるため、気象情報だけでなく、自治体からの情報にも注意が必要だ。

午後は東日本や北日本が大雨の中心に

21日(金)午後0時の雨と風の予想

 このあと午後にかけては、大雨のエリアは東日本や北日本が中心となる 。

 特に雨量が多くなるのが東海地方で、甲信でも山沿いを中心に大雨になるおそれがある。関東も雨が降るが、こちらは南よりの風が強く、交通機関に影響がでる所があるかもしれない。  

 雨に加え、強い風にも注意が必要だ。

(気象予報士・多胡安那

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