【書評】『残念な政治家を選ばない技術』、この1冊だけ選挙前に読んでくれないか

こんにちは。自称日本一意識低い政治ライターひがし(@misuzu_higashi)です。

18歳以上の皆さん!今年は選挙イヤーです。既に数多くの自治体で選挙が行われており、遅くとも10月には衆議院議員総選挙が行われます。

「でも、誰を選んだらいいか分かんないんだよね……」

よーく分かります!そんな人に、どうかこの1冊だけ読んでほしい。政治のことをよく分からないまま有権者になってしまった方から現役政治家の皆さんまで、有権者全員におすすめできる本を見つけました。

選挙プランナー・松田馨氏の『残念な政治家を選ばない技術 「選挙リテラシー」入門』です。

政治家には種類があり、向いている人が違う

この本では、やさしい語り口調で政治・選挙についての解説が行われています。

最大の特徴は政治と有権者の溝を埋めるために「政治家の種類」を大きく取り扱っているところ。

この本では政治家の種類を大きく以下の5つに分けています。

・衆議院議員
・参議院議員
・東京都知事
・地方自治体の首長(都知事以外)
・地方議員

ひとくちに「政治家」と言っても、役割や求められているものは政治家の種類によって違います。この本では、どんな考え方をし、どんな性格をしている人がどんな政治家に「向いている」のか解説されています。それを頭に入れて選挙公報を読んでみると、おのずと残念な政治家は選択肢から外れていきます。

こうやって、選挙ごとに投票先の選び方の基準を変えることが「残念な政治家を選ばない技術」につながってくる。そんなことを教えてくれる本です。

政治と有権者の溝を埋める本。一票に自信が持てるようになる!

著者の松田氏は選挙プランナーとして15年以上も数々の選挙のサポートを幅広く行い、選挙を通して政治と有権者との溝を実感してきたといいます。

この本が刊行されたのもその溝を埋めるため。「政治家に向いている人は分かったけれど、やっぱりわからないんだ」という有権者にはまず選んでみる、選挙に行き続けてみるということを提案しています。

人は最終的には感情で動くものです。この人がいいな、の勘でもきっと大丈夫です。あなたも私も投票先をちゃんと選べているし、答え合わせは数年後にすれば良いのです。

政治家を当選させることを仕事にしている人がそう言ってくれるのなら、私は自分の選択に自信を持とう!と思いました。

まとめ:全ての有権者におすすめ!投票の仕方がわかる本

ひょんなことから政治に携わり早6年、大学時代は研究室で白衣を着て大腸菌をこねくり回していた私は政治のことなんてさっぱり分からず、何冊もの「政治や選挙の入門本」を手にしたことがありました。

でもそこに書かれているのは大体が公民の教科書の焼き直し。それも大事なことなのですが、今までで1番実用的でためになった政治と選挙の入門本は『残念な政治家を選ばない技術』でした。

何よりも、自分の一票は無駄ではない!自分は投票していいんだ!と思えたのが嬉しかったです。政治の本を読んで嬉しくなったのは初めてでした。

唯一残念なのは、この本が少し古い本(2016年刊行)だということです。どうしても時事ネタを絡めた解説は少し前の情報になってしまいます。政治の世界は代謝が早いですから仕方ないですね……

著者の松田氏は現在でも現役バリバリの選挙プランナーとして活躍しており、2021年だけでも千代田区長選挙(東京都23区最年少区長)、大津町長選挙(熊本県最年少首長)、小松市長選挙(石川県最年少首長)等で歴史的な勝利を達成したそうです。

そんなに実績があって人気だと本業だけで忙しそうですが、新型コロナが収束したころにぜひコロナ関連のできごとも交えて新しい本を書いてほしい!そんな私から著者へのリクエストで締めたいと思います。

残念な政治家を選ばない技術

有権者の皆さん、この1冊だけでいい。選挙の前に1冊だけ、読んでみてください!

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