小林可夢偉、スーパー耐久富士SUPER TEC 24時間レースで“初心者講習”を受ける

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 5月20日から富士スピードウェイで走行がスタートしたスーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook第3戦NAPAC富士SUPER TEC 24時間レース。このレースでは、話題の水素エンジンを積むORC ROOKIE Corolla H2 conceptが参戦するが、そのドライバーのひとりとして名を連ねた小林可夢偉が、5月21日午前にブリーフィングルームで行われたスーパー耐久初参戦ドライバーに課せられる“初心者講習”とも言える、スーパー耐久安全ミーティングに出席した。

 今回のNAPAC富士SUPER TEC 24時間レースで、目玉車両のひとつとも言える、水素エンジン搭載のORC ROOKIE Corolla H2 concept。そのドライバーのひとりとして可夢偉は井口卓人/佐々木雅弘/モリゾウ/松井孝允/石浦宏明という5人とともに参戦する。

 実は2020年11月のスーパーフォーミュラの鈴鹿明けに、蒲郡で水素エンジン車両をドライブし、モリゾウに「これは絶対にモータースポーツで使うべき」と提案し、ある意味今回の参戦の“火付け役”ともなったのが可夢偉だ。

「ハイブリッドは最初はエコカーという雰囲気が強かったですが、僕たちがWEC世界耐久選手権でも証明したように、モータースポーツで鍛えることで、スポーツにも使えるというイメージをつけることができました」という。

「モータースポーツが今後、どうカーボンニュートラルと共存していくかと考えたときに、音はやっぱり必要だと思うんです。この水素エンジンをモータースポーツで開発できれば、エンジンの魅力を伝えることができると思うんです」

 そんな“火付け役”だけに、今回もROOKIE Racingの一員としてORC ROOKIE Corolla H2 conceptをドライブすることになったが、実は可夢偉はスーパー耐久への参戦は初めて。そこで5月21日、初めてスーパー耐久に参戦するドライバーが受講しなければならない“初心者講習”とも言える、スーパー耐久安全ミーティングに出席した。

 もちろんご存知のとおり可夢偉は元F1ドライバーで表彰台の経験もあり、これまで海外ではWEC世界耐久選手権でル・マン24時間を数多く戦い、2020年はWECのワールドチャンピオンを獲得。さらにデイトナ24時間では2019年/2020年と連勝。さらにトタル・スパ24時間にも出場経験があるだけに「いちばん24時間レースは出てるはずなんですけどね(笑)」と可夢偉は笑う。

 そんな可夢偉が出席したスーパー耐久安全ミーティングだが、長年ドライバーとして活躍した福山英朗さんが講習する。毎戦、初参戦やひさびさの参戦となるドライバーに課せられており、このミーティングが行われるようになって、近年のスーパー耐久は劇的にアクシデントが減った。もちろん可夢偉も初参戦だけに、参加義務があった。

「いちばん早く来て、いちばん前に座っていましたよ」と福山さんはミーティングでの可夢偉の様子を教えてくれた。

「スーパー耐久はアマチュアのドライバーを多く受け容れているシリーズなので、これほどたくさんのアマチュアと走るという意味では、(可夢偉選手も)“初心者”だと思います」

「アマチュアドライバーは決して技能が低いとかそういう話ではなく、慣れや習得の部分で、プロならば常識で『こう動くよね』というプロ同士の疎通がありますが、アマチュアはそうは動けない、経験が少ないからそう動かないなどがあったりします。そういった方々と一緒にレースをするので、プロの流儀を押しつけるのではなく、調和をとって走ってくださいね、というのがプロにお願いする部分です」

 福山さんは「グランプリドライバーがいちばん前に座っていてプレッシャーがありました(笑)」というが、「安全ミーティングではすごく真面目に、前向きに聞いて下さっていたのが印象的でした」と可夢偉について教えてくれた。

「慣れている方も、慣れていない方も、それぞれに24時間乗り切って欲しいですね」と福山さん。その願いどおり、天候が好転しそうな5月22日からの決勝では、一台でも多くのマシンが完走して欲しいところだ。

ORC ROOKIE Corolla H2 conceptを見つめるモリゾウと小林可夢偉
ORC ROOKIE Corolla H2 concept
2019年のデイトナ24時間レースで初優勝を飾った小林可夢偉
7号車トヨタGR010ハイブリッドを見つめる小林可夢偉