シミュレーションの鬼・工藤監督の青写真は――。ソフトバンクがリリーフ陣の緊急事態に直面している。
リバン・モイネロ投手(25)が母国・キューバの代表戦に出場するため、23日のオリックス戦(ペイペイ)を最後にチームを離れる。左ヒジの炎症で離脱している守護神・森唯斗投手(29)も実戦復帰はまだだ。25日からの交流戦は、ここ数年チームの終盤を任されてきた両リリーフエースが不在の中で戦うことになる。
工藤監督はどう乗り切るか。守護神は岩崎翔投手(31)に任せる予定。現在も勝利の方程式を担っており、リリーフとしての実績は十分だ。「なかなか抑えは経験がないと難しいところもある。岩崎君が一番後ろに回るのがベストなのかなと思っている」。
その上で7回や8回は、1人に固定するのではなく、バックアップを置きながら運用していくことも考えてるという。
「1イニングを誰かに任せるという方法もあると思うが、左を一人置いておいてとか。左(打者)から始まれば左(投手)でいって、右(投手)に代えるとか。そういうのも頭の中でのシミュレーションの一つにはあります。良ければ1イニングを任せて、ということもいいのかなと」。
その意図について「なかなか慣れないところでプレッシャーがかかると、いつもと違う精神状態で投げてしまって、うまくいかないということがある。一度失敗すると次も不安に思って投げるということもありえる。誰かひとりでもバックアップとしているだけで、いわゆる全力でいけるのかなと思う。少しプレッシャーが少し和らぐのかなと思う」と説明した。
若手の津森、泉、そして左キラーとして抜群の実績を誇る嘉弥真が軸となっていく。
もっとも、指揮官が一番望むのは、この機会を生かして若手が成長を遂げることだ。
「ただ、投手として考えるのであれば、より責任感のあるところで投げることにやりがいを感じてやってほしい。彼らにとっての成長にもつながれば、良い経験にもつながる。良い実績としてしっかり残してくれれば、また起用方法も変わるのかなと思います」。
しっかり最後にこう付け加えて期待を込めた。