【東京五輪】百合子の3密に対抗? 橋本会長が打ち出した「聖子の3徹」

スローガンを打ち出した橋本聖子会長(代表撮影)

東京五輪の準備状況を監督する国際オリンピック委員会(IOC)の調整委員会と大会組織委員会の合同会議が3日間に渡って開催。その最終日となる21日、IOCのジョン・コーツ調整委員長(71)、組織委の橋本聖子会長(56)、武藤敏郎事務総長(77)が会見を行った。

この日、橋本会長は「大会開催により医療への負担を懸念されている方もいる。これらの懸念に対し、私たちは3つの徹底、いわゆる〝三徹〟を行います」とスローガンを掲げた。安心安全な大会に導くための3つの徹底事項は「来日人数削減の徹底」「行動管理・健康管理の徹底」「医療体制見直しの徹底」だ。

来日人数については、すでに3月に海外観客の受け入れ断念を公表。現在のところ五輪関係者は5万9000人、パラリンピック関係者は1万90000人。延期前の計画に比べて半分以下に削減されている。

安心安全のための行動管理・健康管理についてはプレーブック第2版で公表済み。大会関係者は入国前にホテルや訪問先を明らかにし、日本滞在中の外出はあらかじめ認められた場所に限定。一般の国民と交わらないような行動制限を課し、悪質な違反に対しては権利剥奪などの対策を徹底する。また、入国14日前から健康観察を行い、入国前に活動計画書を提出し、宿泊先のホテル、移動手段は組織委員会が指定するものに限定。入国後3日目までは全員が毎日検査を行う。

大会中に必要な医療従事者について、医師は「1日当たり最大230人程度」、看護師は「最大310人程度」という指針が示され、併せて「全体の8割程度の見通しが立っている」と明かされた。また、看護師の派遣については「現在、業務から離れており、本格的な職場復帰をお考えでない潜在看護師に協力をお願いしている」(橋本会長)といい、あくまで「地域医療に支障を生じない形で人材を確保する」(同)と強調した。

これらを踏まえ、橋本会長は「3徹を実行し、都民・国民の皆様にとって安全安心な大会を開催」とアピール。昨年は東京都の小池百合子知事(68)による「3密」が流行語となったが、五輪開催に伴って「聖子の3徹」は定着するか。

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