引退競走馬、清掃隊長に 元調教師・角居さん珠洲で活動 鉢ケ崎海岸、児童と美化

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ドリームシグナルに馬具を取り付け海岸清掃の準備を進める角居さん(左)=珠洲市三崎町細屋

 日本中央競馬会(JRA)の元調教師角居(すみい)勝彦さん(57)=輪島市=は29日から、珠洲市内で余生を送る引退競走馬ドリームシグナルと鉢ケ崎海岸で清掃活動を始める。ドリームシグナルを「隊長」に据え、地元の児童ら参加者が馬との触れ合いを楽しみながら、県内有数の透明度を誇るビーチの美化の機運を高める。

 「鉢ケ崎きれいにし隊(たい)」と名付け、参加者が隊の名前が入った馬具を着けたドリームシグナルと一緒に海岸での散歩を楽しみながら清掃に励む。清掃活動に参加した子どもにはポイントを付与し、一定数を集めると乗馬が体験できる特典を用意することも検討している。

 「日本の渚(なぎさ)百選」に選ばれている鉢ケ崎海岸は海水浴場として人気が高く、市内有数の観光地ともなっている。ただ、近年はペットボトルのポイ捨てやプラスチックケースなどの海洋ごみの漂着が目立つようになり、地元関係者の悩みの種となっていた。

 ドリームシグナルは2008年に中央競馬の重賞の一つ、GⅢシンザン記念を制し、10年に引退した。昨年7月、角居さんらによって珠洲市三崎町細屋の農園「タイニーズファーム」に移送され、余生を送っている。

 海岸は農園から約2キロと近く、日常の散歩コースになっている。地元の悩みを知った角居さんが、農園で親子連れらに人気のあるドリームシグナルに海岸美化に一肌脱いでもらうことを思い立った。

 角居さんは清掃活動を皮切りに、市内の小中学校によるSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みにも引退競走馬を活用していく。

 角居さんは「ドリームシグナルも地元の美化に協力できるとなれば本望だろう。子どもたちが珠洲の自然の素晴らしさを知り、馬と人との関係を考えるきっかけになればいい」と意気込んだ。