神戸のワクチン会場、誘導係に高齢者動員 「自分の接種はまだなのに」怒りの声も

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新型コロナワクチンの大規模接種会場で神戸市が事前に行った訓練の様子=20日午後、神戸市中央区東川崎町1

 神戸市が神戸ハーバーランド(同市中央区)に開設する新型コロナワクチンの大規模接種会場で、優先接種の対象でもある一部の高齢者に対し、会場内外の誘導業務の担い手を募っていることが21日、分かった。ワクチン接種の予約が取りにくい不満もくすぶる中、募集の案内を受け取った高齢の市民からは「せめてワクチン接種とセットにできないのか」との声が漏れる。(井上太郎)

 市はJR神戸駅近くの神戸ハーバーランドセンタービルで25日から、1日平均2千人を想定してワクチン接種を始める。これに先立ち今月中旬、市介護保険課は、委託運営する「KOBEシニア元気ポイント」の登録者約480人に郵送で、誘導に当たるスタッフ1日6人程度を募った。ワクチンを接種済みかどうかは問わないという。

 ポイント制度は65歳以上の市民が対象で社会参画を促すのが目的。介護施設を訪れて話し相手になったり清掃したりする活動によって、現金と交換できるポイントを受け取れる仕組み。接種会場での誘導業務は25日~6月4日の1日3時間。通常は1日200円分のポイントを上限とするが、今回は2倍の400円分が付与される。

 案内を受けたある高齢女性は「高齢者に不要不急の外出を控えろと呼び掛ける一方で、大勢が訪れる場所で働かせようとするのは矛盾している」と怒りをにじませる。自身はまだワクチン接種の予約が取れておらず、ワクチン接種と誘導業務が同時に行えるべきと指摘する。

 市介護保険課の担当者はポイント制度の登録者に接種会場での協力を求めたことに「介護施設を訪ねられない状況が続く中、登録者の『もっと活動したい』という気持ちを尊重したかった」と説明。また、ワクチン接種のために、誘導業務に応募をするのは趣旨が違うとしている。

 市には既に定員を上回る1日10~30人台の申し込みがあるといい、「感染対策はしっかり行う。不安な気持ちは分かるが、一定のニーズもある」として理解を求めている。